J2長崎が数的不利のなか1-0の勝利

 V・ファーレン長崎は5月22日にルヴァンカップの1stラウンド3回戦で浦和レッズと対戦して1-0の勝利を飾った。退場者を出しながらの勝利に下平隆宏監督は「選手たちがこの死闘をものにしてくれて嬉しく思う」と話した。

 長崎はこのゲームの前まで、3月6日の同1回戦から公式戦16試合無敗で臨んだ。一方の浦和はリーグ戦からスタメンを4人変更したが主力をベースにしたメンバーを組んだ。

 序盤から浦和がボールを持つ時間が長くなったものの、長崎は下平監督が「守備のところではボールを持たれる、揺さぶられるのは覚悟していた。ラインコントロールとスライドを切らさずにやってくれた。攻撃ではボールを持つことにトライしてくれて、上手くいった部分も多々あった」と話したように、浦和に有効な前進をあまりさせなかった。後半に浦和が選手交代を伴い圧力を強めてからはゴール前での守備が増えたものの、0-0の状態を維持した。

 しかし後半25分、長崎は右サイド深くに入ってきたボールを相手FWオラ・ソルバッケンと競り合ったDFモヨ・マルコム強志が身体を入れてゴールキックに。しかし、ここでの競り合いに怒りを見せたモヨがソルバッケンに頭突きをしてしまい、審判団が協議した末に山下直美レフェリーがモヨにレッドカードを提示し、10人での戦いを強いられた。

 それでも長崎は後半33分、長崎は右サイドからMFマルコス・ギリェルメがクロスを入れるとFWフアンマ・デルガドが相手と競り合いながらヘディングでゴール。残り時間で猛攻を受けアディショナルタイムも8分あったが1-0で逃げ切った。

 下平監督は「選手たちがこの死闘をものにしてくれて嬉しく思う」として、「選手の1人1人が素晴らしかった。GKを中心にゼロで終えたDFラインも、ボールを動かし続けたボランチ、前線も選手は変わったが最後にフアンマが決めてくれたのは勢いがつくと思う」と喜びの声を残した。

 また、決勝ゴールのフアンマは「普段、出場機会のない選手で戦うルヴァンカップでアジアチャンピオンの浦和を相手にしっかり戦えて勝ったのは大きな結果になった。マルコスからすごくいいボールが来て決めることができた。みんなのおかげ。クラブを代表して、選手やスタッフを代表してサポーターにありがとうと伝えたい」と、2022年大会を制すなどAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を3回優勝の浦和から勝利を収めたことへの喜びを話した。

 これで公式戦無敗を17試合に伸ばした。下平監督は「この勢いをリーグ戦につなげたい。浦和に勝ったからと言って、次の相手に勝てるとは限らない。期間は短いが、しっかり準備していきたい」と、今週末のジェフユナイテッド千葉戦を見据えていた。

FOOTBALL ZONE編集部