これは私の実体験です。昔ながらのしきたり自体は悪いことではありませんが、規則にない自分のルールや昔の常識を押し付けてくるベテラン女性社員に困ってしまいました。

社内の決まりと風潮

私が入社した会社での業務は、出勤から退勤までオフィスの中で完結する、来客のない事務仕事です。そのため、制服やスーツ着用の規定はなく、ほかの社員もみんな私服で出社していました。

ただ規定はないものの、暗黙の了解でジーパンやジャージを着てくる人はおらず、みんな足元にパンプスを履いて似合うような緩めのオフィスカジュアルといった格好で出社しています。実際に、女性社員はパンプス、男性社員は革靴を履いて業務をおこなっています。

私の事情

私もほかの社員と同じような私服にパンプスを履き、就業していました。しかし、私の足は酷い外反母趾でヒールのあるパンプスで歩くことが困難なんです。

そのため、通勤の際はスニーカーを履き、会社に到着してからパンプスに履き替えるようにしていました。その日も会社に到着して、パンプスに履き替えていたのですが……。

ベテラン社員の説教

パンプスに履き替えているシーンを、ベテランの女性社員に目撃されてしまい、説教を受ける羽目に。

「スニーカーで出社するなんて常識外れよ! だいたい昔はオフィスカジュアルだとか、クールビズなんて言葉はなくて、みんなスーツで男性はネクタイを締めて出社していたわ? 私服でいいからと胡坐をかいてスニーカーで出社するなんて信じられない!」と昔といまを比べて、かなり厳しく怒られてしまいました。

朝礼

その日の朝礼で上司から「女性社員のみんなはパンプスを、男性社員のみんなは革靴を履いて出勤してくれているが、弊社にはそういった決まりはない。歩きやすいスニーカーで勤務してもらって構わない。」とお話がありました。

実は私がベテラン社員から怒られている場面を目撃していたようで、外反母趾の事情を知っていた上司が気を利かせてくれたようです。

結末

翌日から私はスニーカーで勤務することにしました。するとほかの社員もスニーカーで勤務する人が激増。

私のように外反母趾などの事情がなくとも、ストッキングやパンプスを履いて長時間過ごすことを苦痛に感じていた方がたくさんいたとわかりました。

昔には昔のよさがありますが、生きやすいようにアップデートしていくことは重要なことだと感じた一件でした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A