阪神は貯金「6」のリーグ首位でセ・パ交流戦に挑む

■巨人 2ー1 阪神(26日・甲子園)

 昨季の日本一球団・阪神はセ・リーグ首位で交流戦に挑む。26日の巨人戦(甲子園)は1-2で敗れ、5カードぶりの負け越しとなったが、安定した試合運びを見せている。野球評論家の新井宏昌氏は「現状、打線に怖さはない」と指摘し、打開策の一つに佐藤輝明内野手の外野再転向を挙げた。

 ここまで阪神は25勝19敗4分の貯金「6」で首位をキープしている。リーグワーストのチーム打率.223と状態の上がらない打撃陣をカバーしているのが投手陣だ。新井氏も「全体的にみてもこの位置(首位)にいるのが不思議なぐらい。他球団の状態もそこまで良くないのはあるが、投手陣の踏ん張りが大きい」と見ている。

 近本、中野の1、2番はある程度の数字を残しているが、中軸の森下、大山、ノイジーは打率2割前半と苦しい状況が続いている。長打が期待される佐藤輝は攻守に精彩を欠き、5月15日に2軍降格となり、最短での1軍復帰も見送られた。新井氏は現状のチーム状況を考えると“三塁・佐藤輝”にこだわる必要はないと見ている。

 今シーズンの佐藤輝の守備は勝負所での失策、記録には残らないが一塁へハーフバウンドの悪送球も目立っていた。一塁・大山が上手く捌きアウトにしていたが、不安定な送球は改善できないまま。守り勝つ野球を掲げる岡田監督にとっては悩みの種だろう。

代役の渡邉が連日の活躍「状況に応じた打撃はできている」

「三塁の守備は軽視できない。ミスをカバーできるほど打撃で数字を残していれば話は別ですが、そこまで至っていない。守備の負担が少ない外野起用を考えてもいいかもしれません。代役の渡邉、糸原が三塁で結果を残しているこの期間だからこそ練習はできます。経験もあるので、そこまで時間はかからない。

 交流戦に入ればDHも使えます。また、外野の一角を担っているノイジーも助っ人としての成績は残せていない。他球団からみれば、調子が悪くてもラインナップに佐藤輝が入っている方が怖さを感じるでしょう」

 佐藤輝の代役として「5番・三塁」で起用されている渡邉は25日・巨人戦で1号ソロ、26日・同戦でも菅野から先制点となる右前適時打を放った。試合数こそ10試合と少ないが、打率.308、1本塁打2打点をマーク。代役の役割を果たしていると言えるだろう。

 新井氏も「阪神では数少ない強い直球に対応できる打者」と評価し「1年を通してレギュラーと言われれば ですが、小力もあり状況に応じた打撃はできている。相手投手によって糸原とのツープラトンでもいい」と口にする。

 リーグ首位で挑む交流戦は28日からスタートする。岡田監督も認める“力のある”パ・リーグ投手陣をどう攻略していくのか、注目が集まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)