今季のシニアツアー開幕戦、ノジマチャンピオンカップ箱根に優勝した兼本貴司は、53歳にして300ヤード以上を飛ばすシニア界の超ロングヒッター。数年前、シニア入りを前に「いろいろなクラブを使ってみよう」とクラブ契約フリーになり、イチから自分でクラブを選んでいる。

「ドライバーとパター、2本のユーティリティ以外はお店で買ったものです。それと200万円以上しましたが、GCクワッド(クラブ軌道&弾道解析器)を奮発して購入、どのクラブも試打してデータを確認して選んできました」と本人。

ドライバーはタイトリストTSR3のロフト9度。「ツアー会場でデビッド・スメイルが使っていたのを打たせてもらって計測したら、飛距離がかなり出ていい感じでした。プロ仲間でタイトリストを長く使っている丸山大輔に紹介してもらって使い始めました。GC(クワッド)で計測してネック調整はややフラットなB1ポジション。左に大曲がりせず、平均313ヤードの数値が出ているので、僕にはこれが合っています」

「3WのSIMは、ゴルフ量販店で買ったもの。ドライバーはフラットにしていますが、地面から打つ3Wはアップライトにしています」。3Wのライ角はネック調整で標準よりも4度アップライト。GC測定では、この仕様がつかまりが良く、左へのミスも少ないのだという。

アイアンはピンの初代ブループリント。「これは(ピン契約の)塚田好宣さん推しです。テストしたらすごく良くて、飛び系モデルじゃないのにすごく飛んで、距離感が合うまで試合での使用はしばらく控えていたぐらいです。塚田さん紹介の社販価格で買いました(笑)。ちなみにその間、使っていたのは地元広島のお店、クアトロKで買ったベルベット・ローベンバーグのアイアンです」。ベルベット・ローベンバーグとはジャパンプライドとドイツスピリットの融合をコンセプトにする新進気鋭の日本のゴルフメーカー。

2Uと3Uは、レギュラー時代契約していたスリクソンのアイアン型UT。2UはZU85で、高弾道が打ちやすいツアーAD HD。3UはZU65でスチールを挿している。

「3本のウェッジもクアトロKで試打して選んだもの。エポンの50度は数年前に使っていたエポンアイアンの流れの1本で135ヤード前後のショット用です」

「三浦技研の56度と60度はショートゲーム特化の2本です。GCでスピン量を測りながら、ヘッド形状、ソール、シャフトを選んで組み上げました」

パターはオデッセイの長尺仕様の2ボールTEN。「長尺ですが、ヘッドはアームロック用で元々のロフトは7度。それを4度にカスタマイズしています」

ボールとバッグなどゴルフ用品のみダンロップ契約。「今のボールはZスター♦ですが、昨年のZスターXVがまだ手元にあるので開幕戦はXVでプレーしました。カラーは見やすい黄色です」。7メーカー9モデルで組む現在の14本と、GCクワッドを携えて今季2勝目を目指す。

7メーカー9モデル
1W/TSR3(9度)・テンセイ プロブルー 1K(60X)
3W/SIM(15度)・テンセイ プロブルー 1K(70TX)
2U/ZU85(18度)・ツアーAD HD(X)
3U/ZU65(20度)・Ks(スチール/X)
5I〜PW/ブループリント(初代)・DG(X100)
GW/エポンTour Wedge(50度)・KBS WEDGE(X)
SW/MG-S01 tour(56度)・KBS WEDGE(X)
LW/MG RF Wedge(60度)・KBS WEDGE(X)
※スペックは編集部調べ(5月16日時点) ※1Wはネック調整でライ角0.75度フラット、3Wはライ角4.0度アップライト ※パターはアームロック用のロフト7度を4度にカスタマイズ

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号より(PHOTO/Takeo Yoshikawa)

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