大相撲の幕内・尊富士(伊勢ケ浜)が夏場所(12日初日、東京・両国国技館)を初日から休場することが9日、決まった。3月の春場所では110年ぶりの新入幕優勝の快挙も14日目に右足首じん帯を損傷し、場所後の春巡業を全休した。四股を踏み始めたのが先月30日の番付発表の少し前からなど、調整が大幅に遅れていた。

 この日、東京・江東区での稽古後、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が報道陣の代表取材に応じ、「まだ治っていないから(出場は)無理ですね。こんな状態で出ても無理なので。四股も満足には踏めない。日々、治しながら。(完治までに)どのぐらいの時間がかかるかは、これからです。しっかり治さないと」などと語った。

 尊富士自身はこの日は取材に応じなかったが、今月4日には「自分でも出たい気持ちもある反面、しっかり治さないと、と不安な部分はありますし…。いろいろ難しいですよね。休むことも思い切った判断ですし、ギリギリ直前まで分からないです。師匠は無理させたくないという人。あまり賛成ではないですね」と複雑な胸中を明かしていた。

 先場所は幕尻の東前頭17枚目だったが、今場所は東前頭6枚目にジャンプアップ。活躍が期待されていたが、無念の休場となった。