大相撲の横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)の夏場所(12日初日、東京・両国国技館)出場可否は、取組編成会議が行われる10日に結論が持ち越しとなった。9日は東京・江東区の部屋で十両・伯桜鵬(伊勢ケ浜)に胸を出すなどして調整した。稽古後、10度目の優勝がかかる夏場所について「師匠と話してから」と、伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)との協議後に最終判断するとした。

 今月2日の横綱審議委員会の稽古総見では左脇腹を負傷。相撲を取る稽古を急きょ、回避した。患部の状態について、横綱は「軽い肉離れじゃないかな、とは思いますけどね。せきをしたら痛めてしまった。ずっと筋肉が固まっていた部分を、せきをしたら急激に痛めたというか。違和感はずっと、少しあって。たいしたことではなくて、大丈夫だろうという感覚で積み重ねて、ちょっとしたことでそうなったというかね」と説明。現在も「ちょっとした痛みは残っている。せきをするのが怖い」と明かした。

 この日、伯桜鵬に胸を出した際には相撲を取るような動きで力を入れた場面もあった。「元々、力が強いからね。それが出せる状況か、出せない状況かってところでしょう。できるだけの調整を、その日、その日、相談しながらしてきているつもり」と述べた。

 伊勢ケ浜親方は「あの通り、ぶっつけ本番しかないですから。トレーニングはしてきていても、稽古はできていないですから」と“実戦稽古不足”に懸念の声をあげた。「調子は良いらしい」とする一方で「稽古をしていないから」と再び心配の声。その上で「序盤、いい形で相撲を取れれば、相撲慣れして、動きも良くなってくるのでは。最初が肝心じゃないですか」と滑り出しをキーポイントにあげていた。