本誌『田舎暮らしの本』の大好評アンケート企画「2024年版 第12回 住みたい田舎ベストランキング」の中から、日本を12のエリアに分けた「12エリア別 住みたい田舎ベストランキング」の甲信エリア(長野県、山梨県)のランキング順位をご紹介します。

2024年版 第12回 住みたい田舎ベストランキング
【12エリア別ランキング】
甲信エリア(長野県、山梨県)のランキングを発表!

甲信エリアランキング「総合部門」「若者世代・単身者部門」順位

甲信エリアランキング「子育て世代部門」「シニア世代部門」順位

 移住先として人気が高い長野県と山梨県。どちらも都心部からの交通アクセスのよさと、アルプスや富士山といった雄大な山々、有名な観光地があることが人気の理由だといえます。また、移住支援も充実していて、エリアの平均値が高いです。特に、若者世代の平均値が高く、12エリア中2位となっています。

 注目は、「総合部門」「若者世代・単身者部門」「子育て世代部門」の3部門で1位となった長野県飯田市。人と人との結びつきを大切にする「結い」の精神に基づいた、細やかなサポートを行っています。「シニア世代部門」1位は、医療先進地でもある長野県佐久市。この2つの自治体に加え、「総合部門」で3位となった山梨県北杜市をここではご紹介します。

長野県飯田市(いいだし)
リニア中央新幹線の開通で、将来的に首都圏や中京圏へのアクセスが至便に

総合部門:1位
若者世代・単身者部門:1位
子育て世代部門:1位
シニア世代部門:4位

長野県飯田市は、南アルプス(写真)と、中央アルプスに囲まれた自然豊かな環境
中央アルプスと南アルプスに囲まれ、天竜川によって南北に広がる伊那谷(標高差約2700mの日本一の谷地形)に位置している飯田市。

 長野県南部に位置する飯田市は、天竜川を挟んで東に南アルプス、西に中央アルプスがそびえ、川沿いには伊那谷(いなだに)が広がる景色が自慢です。近い将来、リニア中央新幹線が開通予定で、東京まで約45分、名古屋まで約25分の距離となり、田舎に住みながら都市とつながるライフスタイルが実現できます。人口約9万7000人の中核都市では、山、里、街の暮らしが可能で、移住を希望する人の多様なニーズに応えられることが魅力となっています。飯田市では、2009年度は47人だった移住者数は2019年度には114人と倍以上に。その後も100人前後で推移しています。

 飯田の語源は、農作業を手伝い合った「結いの田」にあります。移住相談でも「人と人の縁を結ぶ」ことを大切にし、先輩移住者や市内事業者の移住コンシェルジュが、移住を考えている人からの相談に乗ったり地域住民との接点づくりなどをていねいに行っています。2023年度からは、市での暮らしをより具体的にイメージしてもらうための移住体験事業「結いターンシップ」を開始。地元企業での職業体験と地域を知るための生活体験ができます。また子育て世代向けには、お試し移住をしながら地元の保育園を体験できる「ショート留学」プログラム(最長1カ月)を行っています。

お問い合わせ先:飯田市結いターン移住定住推進課 ☎0265-22-4511
結いターン移住定住推進課 - 飯田市ホームページ (iida.lg.jp)

長野県飯田市は市内の公立保育園の全園が信州やまほいく(信州型自然保育)認定園
市内の公立保育園の全園が信州やまほいく(信州型自然保育)認定園。まずは「ショート留学」で5泊6日〜1カ月のお試しをしてみるのがおすすめです。

長野県佐久市(さくし)
子どもからシニアまで安心。医療体制が充実したまち

シニア世代部門:1位
子育て世代部門:4位
総合部門:6位

長野県佐久市ののどかな田園風景
佐久市に広がるのどかな田園風景。全国トップクラスの晴天率を誇る高原都市です。

 長野県東部にある佐久市は、標高約700m、全国トップクラスの晴天率を誇る高原都市で、観測史上熱帯夜ゼロ。北陸新幹線佐久平駅があり、東京駅まで約70分と首都圏へのアクセスも良好です。市内にある佐久市立国保浅間総合病院とJA長野厚生連佐久総合病院、2つの総合病院が「地域に根ざした医療」を推進。また、医院や診療所の数が多く、身近なかかりつけ医が充実しているなど、先進的な地域医療および包括ケア体制が整っています。

 佐久市では、移住後に後悔してほしくないため、移住相談ではメリットだけでなくデメリットも伝えるようにしています。佐久市への移住を考えている方向けに、移動や宿泊、一時預かり可能な保育サービスなど、試住の際に必要なさまざまな情報をまとめた試住支援サービスサイト「Shijuly(シジュリー)」を開設、滞在費補助金もあります。そのほか、空き家バンクによる家の紹介、就業・創業移住支援なども行っています。

お問い合わせ:佐久市移住交流推進課 ☎0267-62-4139
移住情報 | 移住情報サイト 佐久にくらす (city.saku.nagano.jp)

長野県佐久市の佐久医療センターは、佐久医療圏の地域医療支援病院で地域の医療を支えています
長野県佐久市の佐久医療センターは、佐久医療圏の地域医療支援病院で地域の医療を支えています。

山梨県北杜市(ほくとし)
東京から2時間圏内で始められる、身近に大自然のある暮らし

総合部門:3位
若者世代・単身者部門:5位
シニア世代部門:5位
子育て世代部門:8位

山梨県北杜市は「子育てするなら北杜」を合言葉に子育て環境の充実に努めている
山梨県北杜市は「子育てするなら北杜」を合言葉に子育て環境の充実に努めています。

 山梨県の北西端に位置する北杜市は、人口約4万5000人。八ヶ岳や南アルプスに囲まれ、遠く富士山までを望む中山間都市であると同時に、尾白川渓谷など市内の3カ所が名水百選に選ばれるほどの名水の里です。東京から中央自動車道経由で約2時間と、首都圏からのアクセスのよさも魅力です。自然豊かなところに住みながらテレワークをしたいというニーズに応え、2022年5月にコワーキングスペースがオープンしました。

 子育て世代マイホーム補助金や子育て支援住宅、妊娠から子育てに関する悩みをワンストップで相談できる子育て世代包括支援センターの設置など、「子育てするなら北杜」を合言葉に子育て環境の充実に力を入れています。また「移住するなら北杜」を掲げ、先輩移住者が相談員となって移住希望者に寄り添ったサポートを行い、オンライン、電話、対面で移住相談に対応しています。また地域の方との交流の場となるよう、移住者、移住希望者、すでに住んでいる方と交流できる移住者交流会を毎月開催しています。

問い合わせ:ふるさと納税課 ☎0551-42-1324
移住定住情報 - 山梨県北杜市公式サイト (city.hokuto.yamanashi.jp)

問い合わせ:未来創造課 ☎0551-42-1164
テレワーク拠点施設(サテライトオフィス・コワーキング)特設サイト-山梨県北杜市 (city.hokuto.yamanashi.jp)

山梨県北杜市では「水と杜のリゾートワーク」事業で3つのオフィスがオープン。写真は長坂コワーキングスペース
「水と杜のリゾートワーク」事業で3つのオフィスがオープン。写真は長坂コワーキングスペースです。