任天堂より2023年1月20日に発売されたシミュレーションRPG『ファイアーエムブレム エンゲージ(以下、FEエンゲージ)』。本作は、34年の歴史が生んだ過去作のキャラクターが多数登場したり、オマージュが多分に含まれていたりとファンなら嬉しい要素が満載の1本です。

いわゆるお祭りゲームのような本作ですが、過去作ネタはあくまでもおまけ要素。長く続く本シリーズを、この『エンゲージ』しかプレイしていないという人でも楽しめる間口の広いタイトルとなっています。


しかしゲームをプレイしていると、“別に知らなくても本編には影響ないが、知っているとなお楽しい”という小ネタを見かけたことはありませんか? 

この『エンゲージ』も小ネタが満載の1本で、とくに歴代『FE』をプレイしていれば気付く小さなネタがたくさん転がっています。各紋章士(過去作キャラ)の出典タイトルや登場マップを再現した外伝をくまなくチェックしてみると、モブユニットに原作キャラが混ざっていることも。

本記事では、そんな『エンゲージ』の過去作オマージュマップ「外伝」で見られる、“実は参戦していた”歴代『FE』キャラクターをご紹介。本作をきっかけにこれまでの作品に触れた方も、シリーズファンの方も、知っていればよりゲームが面白くなる過去作キャラにまつわるネタをお届けします。

◆『聖戦の系譜』マップは再現度の高さが魅力!
まず最初にご紹介するのは、『聖戦の系譜』の主人公「シグルド」の外伝マップ「聖騎士」。このステージは原作10章を再現しており、オリジナルでは海岸の先端マスに待機することで、隠しアイテム「ライブの腕輪」を入手できました。

本作で再現された外伝マップでは、同じ位置で待機すると「女神の像」を入手可能です。原作ではシグルドの息子「セリス」が待機で亡くなった両親であるシグルドとディアドラと会話する、感動的なシーン。

もしかするとこの像は、ディアドラの像なのかもしれませんね……。

また注目していただきたいのが、マップ開始時点で左下に配置されているステータスの一部がカンストしているボルガノン持ちの男性セイジ&トロン持ちの女性セイジの二人組。

彼らは、それぞれ原作10章で中ボスとして登場する「ユリウス」「イシュタル」を模している可能性が高そうです。一見するとただ強そうなだけのモブユニットに見えますが、原作をプレイしていると気付ける要素です。

加えて、定かではありませんがシグルドに向かう前に立ちはだかる復活の石持ちのセイジは、原作マップで同じ位置にあるミレトス城を守っていた敵将「ザガム」かもしれません。

いや、同じ位置に居る敵将の魔法使いということは、きっとそうでしょう……!

◆『トラキア776』の難易度も再現されたリーフ外伝
続いて紹介するのは、『トラキア776』の22章が完全再現された「リーフ」の外伝マップ「賢王」。ここでは、敵ユニットの配置にご注目。

敵将を務めるリーフの前にハイプリーストとジェネラルがいますが、これは原作マップで敵将を務める「サイアス」「コーエン」の2人と思われます。

とくにジェネラルのステータスをよく見ると、使うことができない無駄アイテムになっている「メティオ」「コラプス」を所有しています。バグや設定ミスを思い浮かべてしまう装備品ですが、実はこの装備、コーエンが持っていた「ブリザード」「バサーク」の再現なのです。

そして、その隣に位置する「サイレス」持ちのハイプリーストは、原作で同じ装備を持つサイアスだと考えられます。

そのほか、このマップ上に配置されたアーチも『トラキア776』の再現。射程が長過ぎる凶悪なアーチの嵐が、『エンゲージ』でも降り注ぐ……!

◆『暁の女神』ミカヤの側にはいつも仲間が!
『暁の女神』主人公の1人「ミカヤ」の外伝マップも、モブの敵ユニットが原作キャラクターを模しています。初期配置で敵将であるミカヤの隣を位置取るシーフは、彼女の義理の弟「サザ」。

そして増援でやってくるソードマスターが「エディ」、スナイパーが「レオナルド」、ウォーリアーが「ノイス」でしょう。彼らはミカヤやサザと共に「暁の団」という義賊集団に所属しており、『エンゲージ』でも集結している姿には思わず胸が熱くなりそう。

ほかにも、『暁の女神』ストーリー中にミカヤの仲間となった「ローラ」がハイプリースト、「ジル」がドラゴンナイトと推測できます。

◆『if』兄弟の絆は紋章士になっても強い
『if』は主人公「カムイ」(プレイヤー)の選択によって、実の兄弟または共に育った兄弟のどちらか、あるいはその両方と敵対する大きく異なる物語が展開されます。

そんなカムイの外伝マップ「未来を選びし者」では、他のモブユニットと比較して抜きん出て強い敵が登場。

その正体はカムイの兄弟たちで、ソードマスターとパラディンは兄「リョウマ」と「マークス」、グリフォンナイトとドラゴンナイトは姉「ヒノカ」と「カミラ」、スナイパーとマージナイトは弟「タクミ」と「レオン」、ハイプリーストとロイヤルナイトが妹「サクラ」と「エリーゼ」です。

また、『エンゲージ』のドラゴンナイト「ロサード」が乗っているドラゴンの名前は「カーミラ」。由来は前述の姉「カミラ」ですが、彼女はDLCにて紋章士としても登場しています。
ドラゴンとはいえキャラ名の元ネタになっているほかモブ兵士でも登場し、加えて紋章士での実装と優遇されていますね。

そしてそのカミラの外伝「暗き妖艶」でも『if』キャラを模したモブユニットが出てきます。カミラの両隣に位置するドラゴンナイトとボウナイトは、原作で臣下を務める「ベルカ」と「ルーナ」でしょう。

『エンゲージ』に出張してもなお、臣下として立派にカミラの側に居るようですね!

◆『風花雪月』ベレトの教え子は紋章士だけじゃなくモブ兵士にも居た!
『エンゲージ』の前作に当たる『風花雪月』は、紋章士「ベレト」が主人公の作品。

ベレトの外伝「導き手」で彼の隣に配置されているモブユニットはそれぞれ、ジェネラルが「エーデルガルト」、ハルバーディアが「ディミトリ」、ドラゴンナイトが「クロード」と思われます。

彼らはベレトの教え子で、『エンゲージ』でもDLCにて3人で紋章士として参戦中。原作では選択によっては敵対したり生涯の伴侶(!?)になったりと、ベレトと縁が深いキャラクターですが『エンゲージ』でも特殊会話が発生するなど、その絆は健在のようです。

以上、『FEエンゲージ』に“実は登場していた”と思われる過去キャラクター関連の小ネタまとめでした。

筆者も記憶を総動員してプレイ中に気付いたキャラを書き上げたものの、これだけ細かく再現している『エンゲージ』にはまだまだ気付いていない過去キャラクターが居そうです。

紋章士たちは各タイトルの見た目で堂々と登場するので分かりやすいですが、原作を知っていないとほぼ気付けないであろうネタがマップの細部までこだわられており、『エンゲージ』がもつ過去作へのリスペクトの高さがよくわかります。

『FE』は好きだけど、『エンゲージ』はまだ未プレイという方は、ぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?