建設現場におけるDXは現在、どのような市場規模なのか。矢野経済研究所が「自動化技術」「遠隔操作技術」「遠隔臨場技術」「ドローン活用技術」「建設用3Dプリンター」の5分野からなる同市場の予測を発表し、2028年度に1000億円を超え、2030年度は1250億円規模となることが分かった。

 2024年度における、同市場の市場規模は事業者の売上高ベースで586億円。多くの技術が実証実験段階にあり、本格的な実装はこれから進むとみられる。矢野経済研究所は、同市場で注目すべき取り組みとして、国土交通省が進めている「i-Construction」を挙げる。建設現場にITを導入して活用を広げるもので、建設現場のリモートオフィス化や工場化などの技術実装が進む。

 今後について、5分野に成長スピードの差はあるものの、いずれも建設現場における労働力不足やイノベーションに寄与する技術であり、今後も着実に成長を続けていくと分析している。

 1〜3月に、専門研究員による直接面談(オンライン含む)と電話・メールによるヒアリング、郵送アンケートならびに文献によって調査した。対象は、ゼネコン・建設機械事業者・ロボット事業者・ドローン事業者・システムインテグレーター・その他建設関連事業者など。