「色」にまつわる多様な資料を紹介する展覧会「色のいろいろ」が6月9日まで、高崎市美術館で開かれている。印象的な色使いの絵画をはじめとする美術品や彩色土器、染め物などを白や赤、青といった色ごとに並べ、美しい色の昆虫標本や絵の具の原料となる鉱物なども充実。121点を紹介している。

 「アート&ミュージアム」をテーマに、五つの展示室で美術品とともに色の歴史や資料を紹介。同美術館の収蔵品だけでなく、群馬県立自然史博物館(富岡市)などの協力を得て、染色材となる植物や鉱物標本といった収蔵品を一緒に展示した。

 「白」を紹介する展示室では和紙作家、森田千晶さん(埼玉県出身)の空間芸術作品「空径」が目を引く。古来、白は「生成り」など素材そのものの色を指したことにちなみ、塩や貝殻、綿などさまざまな白い素材を長さ約80メートルの和紙にすき込んだ。

 「青」の展示室には高崎市出身の画家、故小倉ポオさんの絵画や顔料の元になる鉱物のラピスラズリ、濃紺の藍染め布団といった資料を紹介している。

 同美術館学芸員の杉本あゆ子さん(53)は「色にまつわる歴史や材料などの視点も合わせて、美術を楽しんでほしい」と話す。

 午前10時〜午後6時(金曜は同8時)。月曜休館。一般600円など。問い合わせは同美術館(☎027-324-6125)へ。