自分のことすらやらない夫の姿には、苛立ちが募るもの。しかし、近藤あゆみさん(仮名・32歳)さんは、少し違ったイライラを抱えています。

「夫は逆に、自分のことだけやるんです。私のものや共有で使うものは、ほったらかし。それがムカつきます」

自立した年上男性とマッチング婚

 写真はイメージです。(以下同じ) あゆみさんと夫・賢吾さん(仮名・38歳)はマッチングアプリで出会い、結婚。一人暮らしの経験が長く、しっかりものの賢吾さんを見て、あゆみさんは「この人となら結婚しても大丈夫」と思っていました。

「私は、自分がいなくなっても生きていけるような人と結婚したかった。付き合って間もない頃から、料理も家事もこなせる夫を見て、こういう人と一緒になりたいと思っていたんです」

 交際1年で結婚した2人は、アパートでの暮らしをスタート。楽しい新生活が始まるのだと想像すると、あゆみさんの心は浮足立ちました。

 ところが、結婚から3ヶ月ほど経った頃、賢吾さんの印象が変わる出来事が起きてしまったのです。

コロナ罹患時、夫の態度にイライラ

 ある日、あゆみさんら夫婦はコロナに罹患。それぞれ別室で隔離期間を過ごすことにしました。先に回復したのは、賢吾さん。起き上がれるようになると、自分で料理をしたり、買い出しに行ったりし始めました。

「でも、買ってくる食材は自分の分だけ。料理も自分の分だけ作るんです。私の食事は気にもとめてくれませんでした。買い物へ行く時も一言、何か欲しいものあるかって聞いてくれたらいいのに、それもなくて…。酷いって思いました」

 結局、あゆみさんは賢吾さんに期待することを止め、通販で食事や必要品を購入。体調が回復したのは、罹患から2週間後のことでした。

「夫は『大丈夫?』と声をかけてはくれましたが、それだけ。怒る気力がなかったので不満は言いませんでしたが、言葉だけじゃんってイライラしましたね」



自分の洗濯だけ取り込む夫に怒りが爆発!

洗濯 それから数ヶ月後、あゆみさんはまたもや賢吾さんの行動に苛立ちを覚えたと言います。それは、仕事での疲労から洗濯物を取り込み忘れていた時のこと。

「いつもは帰宅後に私が全部取り込み、畳んで片付けるんですが、その日は忘れていて……。寝る前に思い出してベランダへ行ったら、夫の分だけ取り込まれていました。雨が降っていたのに、私の服や共同で使うタオルは干したままで……」

 なぜ、自分の分だけ取り込むのだろうか。さすがに怒りを覚えたあゆみさんは、賢吾さんを詰問。コロナに罹患した時に感じた不満も伝え、「いつも自分のことだけやらないで」と怒りをぶつけました。

 すると賢吾さんは「お互い、大人なんだから自分のことは自分ですればいい。相手がしてくれるなんて思うのは、甘えだよ」と反論。その発言に苛立ちを感じたあゆみさんは、その日以降、ご飯を2人分作ることをやめました。

「今も自分の分だけ作っています。洗濯物も自分の分だけ取り込み、畳むようにしています」

「甘えでしょ?」と言うと…

 賢吾さんは最初、不満そうな顔をしていましたが、あゆみさんが「相手がしてくれるなんて思うのは、甘えなんでしょ?」と言うと何も言えず。夫婦関係は、ギクシャクしたものになっています。

「関係を修復したいとは思っています。私は夫が何かをしてくれなかったこと以上に、気遣ってくれていないような気がしたことが悲しかったんだなって最近、気づいたから。ただ、自分から折れるのは納得がいかないので、夫の様子を見ながらどう出ようかなと考えています」

 大切にしたいと思った相手だからこそ、蔑ろに思える態度を取られると心が傷つくもの。あゆみさん夫婦には互いが納得できる自立の在り方を見つけてほしいものです。

<文/古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291