フェラーリのカルロス・サインツJr.は、今季4戦中3戦でワンツーフィニッシュを飾っているレッドブルのアドバンテージを、アップデートにより埋められるかもしれないと考えている。

 第4戦日本GPでは、マックス・フェルスタッペンが今季3勝目をマーク。セルジオ・ペレスも2位に続いており、レッドブルが今季もタイトルを獲得する最有力候補であることは疑いようもない。

 しかしサインツJr.は、フェラーリが進めているアップデートの開発について、興味深いヒントを残した。

 サインツJr.は自身が勝利したオーストラリアGPでフェルスタッペンがリタイアしたことも踏まえ、フェラーリがこの時期にあまり大きく差をつけられなければ、後々面白い展開が待っている可能性があると示唆している。

「シーズン序盤の3分の1は間違いなく彼ら(レッドブル)が優位に立つと思う。僕たちが彼らともっとコンスタントに戦えるようなアップグレードをひとつかふたつ持ち込むまではね」

「でもその頃には、彼らがチャンピオンシップでアドバンテージを持っていて、少し遅すぎるかもしれない」

「僕たちにはもっとオーストラリアのようなレースが必要だ。でもレッドブルがチームとして、ああいうミスを頻繁に犯すとは思えない」

「僕が1レース欠場しているのも残念だ。チームにとっても僕にとってもね。それはチャンピオンシップを戦う上で痛手になるかもしれない。1レース少ないけど、同時にベストを尽くすつもりだ。フェラーリでの最後の年でもあるし、失うものは何もない。挽回するために全力を尽くすよ」

 フェラーリのフレデリック・バスール代表は、昨年の弱点であった高速コーナーとタイヤのデグラデーションにおけるマシンの進歩を自賛している。

 そしてレッドブルにアドバンテージがあることを認識しながらも、彼らとの差を詰めて接近するだけでも、彼らにプレッシャーをかける上では十分であり、結果としてオーストラリアGPのようなミスが起きるとバスール代表は語った。

「昨年に比べ、高速域では大きな進歩を遂げた。鈴鹿はその良い例だ。そしてタイヤマネジメントもね」

「でもまだ弱点がある。常に妥協が必要で、どこかが改善されれば、別のところが失われてしまう」

「全体的に見れば昨年のラスト4戦と、今年の序盤4戦を対レッドブルで比較すれば、我々はかなり前進したと思う」

「彼らがまだ少し前にいるのは確かだが、目標は彼らにプレッシャーをかけられるようになることであり、プレッシャーがかかればミスが多くなる」

 同時にバスール代表は、レッドブルに次ぐ位置をめぐる争いがいかに厳しいかについて、現実的な見方をしている。

「私の仕事で重要なのは謙虚さだ」

「日本GPの予選では、4チームが0.1秒以内に入った。それはある週末の結果が、その次の週末にも当てはまるかどうかを考える必要がない(ほど僅差だ)ということだ」

「次はまたゼロからのスタートになる。そして、すべてのレースでこのマインドセットを保たなければならない」