フェラーリは今季のF1において3つの大型アップデートパッケージを投入する予定だが、その内最初のアップデートが第7戦エミリア・ロマーニャGPに向けて行なわれる。

 これに際して、フェラーリはフィオラノのテストコースで木曜、金曜とフィルミングデーを実施する。アップグレードパッケージの初走行を行ない、地元イタリアのイモラでの週末で必要なキャリブレーション作業を減らす構えだ。

 撮影の名目で許可されているフィルミングデーは、走行距離が200kmまでに制限されており、ピレリの専用タイヤを使って行なわれる。この機会を活用してフェラーリはアップデート版の実走行データを収集し、風洞で収集したデータとの相関関係を確かめることになるだろう。

 また今回のフィルミングデーをフェラーリは、チームの新スポンサーであるHPのロゴが入った最新のカラーリングを撮影することにも活用するだろう。HPは先日行なわれたマイアミGPからタイトルスポンサーとしてチームに加わり、エンジンカバーや前後のウイングにお馴染みのブルーのロゴを掲示している。

 さらに、フェラーリのサードドライバーであるオリバー・ベアマンにフィルミングデーでの走行機会を与えることも予想される。ベアマンはイモラでハースVF-24に乗り込みFP1に出走する予定だが、そこに向けての準備としては、フィオラノでの走行機会はうってつけと言えるだろう。

 チーム代表のフレデリック・バスールは、今季初の大型アップデートがフェラーリにとって大きなステップアップとなることを否定している。しかしながら、今季マクラーレンらと僅差の争いを展開していることを考えると、そういう意味では差をつけることができるかもしれないと述べた。

「我々はそれ(アップデート)が“ゲームチェンジャー”になるとは思っていない。しかしながら、タイトな争いをしている中でパフォーマンスをもたらすことができる」

 バスール代表はそう語る。

「我々のライバルはこの週末(マイアミGP)にパーツを持ってきたが、それもゲームチェンジャーにはならなかった。しかし予選でコンマ1秒以内に4、5台のマシンがひしめいているのであれば、そこでコンマ1秒タイムを上げることができれば、その週末においてはゲームチェンジャーになるということだ」

「ただリザルトの大部分は、ドライバーと共に取り組んでいること、週末のセットアップ、タイヤのマネジメントなど、そういった部分から来るものだ」

「アップグレードや開発のことだけを考える必要はない。サーキットでしている仕事もあるのだ」

 フェラーリにとって最初のアップデートがホームレースになったことは偶然なのかと尋ねられたバスールは、こう答えた。

「イモラがファクトリーに近いという事実は、何かを持ち込むという上ではプラスになる。パーツのリリースを遅らせることができるからね」

「ただ答えはノーで、イタリアとは何の関係もない。繰り返すと、これがゲームチェンジャーだとは思っていないが、タイトな中では力を与えることになるかもしれない」