インディカー第4戦インディアナポリスGPは、ポールポジションから見事なレースを見せたチップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウが勝利した。

 インディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースを舞台とする今回のレース。予選ではパロウが0.0917秒差でクリスチャン・ルンガー(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を抑えてポールポジションを手にした。

 しかし85周のレースがスタートすると、パロウはターン1でタイヤをロックさせ膨らんでしまいルンガーに先行を許してしまった。これをきっかけにした混乱で複数台のマシンがターン1のランオフエリアに飛び出した。

 更にその後アンドレッティ・グローバルのチームメイト同士である、マーカス・エリクソンとコルトン・ハータが接触。ハータは一時コースアウトしたが、その後再びコースに復帰。この接触でエリクソンはレースコントロールからペナルティを受け、5つポジションを明け渡すことになった。

 トップ争いはルンガーとパロウ、そして3番手のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が接近戦を展開した。

 1回目のピットストップではパワーが18周目にピットイン。ルンガーとパロウはその2周後にピットに飛び込んだが、パロウはパワーの目の前でコースに復帰した。2台はサイドバイサイドのバトルを展開したが、パワーが実質2番手を奪取した。

 次のピットストップまでトップ3は接近したままだったが、40周目に再びパワーがピットイン。翌周にはルンガーがピットインを行なう。ここでパロウはさらに1周ピットインを遅らせた。

 このオーバーカットが功を奏し、パロウはルンガーの前でコース復帰。インラップで攻め、アウトラップで見事にルンガーを抑えたパロウが実質首位を取り戻したのだ。

 62周目の3回目のピットストップでは、パロウはルンガー、パワー、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)を従えてピットレーンへ。このピットストップでパワーはルンガーを交わして2番手に浮上した。

 残り20周となったところで、デイル・コイン・レーシングのルカ・ギオットがコース上でストールしたため、この日最初の、そして唯一のコーションが出された。

 残り17周のところでリスタートが切られ、パワーがアウト側からパロウに並びかけてターン1に向かったものの、パロウはタイヤをロックさせながらなんとかポジションキープ。加速が鈍ったパワーは、ルンガーをディフェンスしなければならず、上位のオーダーは変わらなかった。

 パロウは3周ほどで一気に1.7秒のリードをパワーに対して築くと、そのまま逃げ切りトップチェッカー。85周のうち39周をリードし、今季初勝利、インディカー・キャリア通算10勝目を飾った。この勝利でパロウはランキング首位に浮上した。

 2位パワー、3位ルンガーと終始トップ3を争った面々が表彰台。4位にはディクソン、5位にマーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ)が入った。