F1モナコGPの決勝レース、スタート直後にレッドブルのセルジオ・ペレスとクラッシュし、リタイアに終わったハースのケビン・マグヌッセンは、ペレスがスペースを残すべきだと主張した。また、ここまで噛み合わないレースが続いているが、不運という言葉で片づけたくはないとも語った。

 ハース勢は予選終了後にリヤウイングに規定違反が発覚したことで、モナコGPの決勝レースを最後尾グリッドからスタートした。そんな中マグヌッセンはまずまずのスタートを決めてポジションを上げると、ターン1の”サンテ・デボーテ”をクリアした先の上り坂、ボー・リバージュで、ペレスの右側からオーバーテイクを狙った。

 しかしそこにはスペースが残されておらず、マグヌッセンとペレスは接触。マグヌッセンのチームメイトであるニコ・ヒュルケンベルグも巻き込む大クラッシュとなった。これでレースは赤旗中断。レーススチュワードはこの件に関して審議を行なったが、いずれのドライバーにもペナルティは科されなかった。

 マグヌッセンとしては、このクラッシュの非はペレスにあると考えているようだ。

「明らかに、彼はスペースを残してくれなかった」

 そうマグヌッセンはリタイア後に語った。

「僕は、彼がそうするだろうと思っていた。僕のフロント部分は、かなりの部分が彼のマシンに並んでいた……僕のフロントホイール全体が、彼のリヤホイールよりも前にあったんだ」

「彼の左側には誰もいなかったから、右側に1台分のスペースを残してくれると考えていた。でも、彼は僕をウォールに押しやったんだ」

「しかも一度に(ハースの)2台のマシンがクラッシュするなんて、良いことじゃないよね。最低だ。そても酷い状況だよ」

 マグヌッセンは今季、チームメイトのヒュルケンベルグの入賞を度々サポートしてきた。しかしここまで自身の獲得ポイントは1。ペナルティポイントを10ポイントも獲得してしまうなど、素晴らしいとは言えない状況だ。そして今回は大クラッシュ。彼にとっては幸いなことに、今回のクラッシュについてマグヌッセンに非があるという裁定は下されず、ペナルティポイントを加算して出場停止に追い込まれる(ペナルティポイントが12になった時点で出場停止となる)ことはなかったが、うまくいかないレースが続いているのは確かだ。

 ただマグヌッセンは、運という言葉で現状を片付けたくはないと語る。

「おそらく、これまでで最もフラストレーションが溜まるシーズン序盤だった」

 そうマグヌッセンは言う。

「常に上り坂を登っているような戦いをしているように思う。カチッと噛み合っていないんだ。状況を好転させることができるのを願っている。僕らには強力なパッケージがある。それを活かさなきゃいけないんだ」

「不運という言葉を使うのは嫌だ。それを言い訳にしてしまうことがよくあるからね。だから……頭を冷やさなきゃいけない。そして僕らが持っている強力なパッケージをポジティブに考え、それが噛み合うように務めていかなきゃいけないと思う」

 前述の通り今回のクラッシュについてスチュワードは、いずれのドライバーにも責任はないという判断を下した。この裁定について尋ねるとマグヌッセンは「それについては答えない方がいい」と明言を避けた。

「話をしない方がいいね。その件については話さない方がいいと思う」

 スチュワードが”お咎めなし”と裁定を下したことは公平だと思うかという問いに、マグヌッセンは「もし僕にペナルティが出ていたら、それはとても驚いただろうけどね」と応じた。