ハンドボール男子日本代表は10日、パリ五輪に向けた代表候補の強化合宿を都内で公開し、エースの安平光佑(こうすけ)(23)=RKヴァルダル・北マケドニア、富山県氷見市出身=が「オリンピックで活躍して、富山の小中学生や高校生に夢を与えたい」と意気込みを語った。

 この日はシュート練習を行い、攻守の連係も確認した。安平は「モチベーションは少しずつ高まっている。ベスト8を目標にしたい」と力を込めた。

 主将を務めた氷見高でインターハイと国体、全国高校選抜大会の「高校3冠」を達成した。日体大時代に本場欧州に活動の場を移し、2022年に日本人男子として初めて世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグに出場した。昨年秋のアジア予選で司令塔として活躍し、36年ぶりの自力での五輪切符獲得に貢献した。

 正月は氷見に帰省中で、能登半島地震の際は家族で高台に避難したという。「今も大変な思いをされている方がいる。育ててくれた氷見の人たちにスポーツで恩返しをしたい」と故郷に思いをはせた。

 強化合宿を12日まで行った後、安平はクラブに戻ってシーズン終盤戦に臨む。五輪代表メンバーは6月上旬に発表を予定し、「五輪までに自分の武器であるスピードをさらに磨きたい」と話した。