クルマには花粉や黄砂、泥など多くの汚れが付着します。これらの汚れを落とすときは自動車ユーザー自身で手洗いすることもあれば、自宅に洗車スペースや洗車用具がないといった理由から、ガソリンスタンドの洗車機を利用する人もいるでしょう。しかし、車種によっては洗車NGとなる場合があります。

「洗車したいのに…」 なぜ洗車機NG?

 ガソリンスタンドなどにある洗車機はその手軽さから多くのユーザーが利用しています。
 
 しかし、車種によっては洗車NGとなる場合があります。
 
 では、一体どのようなケースが該当するのでしょうか。

 クルマには花粉や黄砂、泥など多くの汚れが付着します。

 これらの汚れを落とすときは自動車ユーザー自身で手洗いすることもあれば、自宅に洗車スペースや洗車用具がないといった理由から、ガソリンスタンドの洗車機を利用する人もいるでしょう。

 市場調査などをおこなうGFK Japanは2024年1月29日から2月11日までの間、自動車を所有するユーザー1万5223人を対象に実施した「洗車に関する調査」を行いました。

 それによると、自分で手洗いをする人は49%、洗車機利用者は41%、お店での手洗い洗車(有償)が7%という結果に。

 また洗車機を利用する理由として、多い順に「時間を節約したいから」、「自分で洗車をするのは手間だから」、「洗車機の性能が良いから」、「自宅で洗車ができないから」、「手洗いは季節によっては暑い/寒いから」という声が聞かれました。

 実際のところ、洗車機を利用すれば数分程度で洗車が終わるほか、クルマの下部洗浄といった個人では洗いにくい部分もキレイにできるため非常に便利です。

 この手軽さから多くの自動車ユーザーに支持されている洗車機ですが、車種やクルマの仕様などによっては洗車機を利用できない場合があります。

 では、一体どのようなケースが「洗車NG」なのでしょうか。

 まず、洗車できないものとして「形状が特殊な車両」が挙げられます。洗車機はセンサーによってクルマの形状を検知し、その形に合わせて洗浄や乾燥をおこなうため、クルマの形状が特殊だと誤検知をしてしまうおそれがあります。

 具体的にはポルシェやフェラーリ、ロールスロイス、ランボルギーニ、ハマーなどは洗車機の利用を断られるケースがあるようです。また車種ではトヨタ「ランドクルーザー40系/70系」、ジープ「ラングラー」、ホンダ「NSX」、ダイハツ「ミラウォークスルーバン」、日産「スカイラインクーペ」が名指しでNGとされていることも。

 次に「洗車機のサイズに合わない車両」も当然ながら洗車できません。

 洗車機は普通乗用車向けのタイプと大型車向けのタイプがありますが、普通乗用車向けの洗車機の場合、洗車可能なサイズは幅が2.3m、高さ2.3m、長さ5m程度です。

 この条件では、日産・「キャラバン スーパーロングボディ」や、トヨタ「ハイエース スーパーロング」のように全長が5mを超える車種の場合は、普通乗用車向けの洗車機を利用できない可能性があります。

 さらに「格納・取り外しできない装備品が設置されている車両」も洗車NGとなるケースがあり、一例としてはボンネット部分にある倒せないエンブレムやアンテナ類、ルーフに設置されているキャリア(荷台)、背面ハシゴなどの装備品が挙げられます。

 これらの装備品が付いていると洗車機のセンサーがクルマの形を正しく検知できず、ブラシが強く当たって装備品が壊れたり、反対にブラシを当てる力が弱くなって十分に洗えなかったりする可能性があります。

 加えて、洗車機自体が故障する原因にもなり得ます。

 SNS上においては洗車機でのクルマの破損に関して「洗車機に入れたらラジオ用のアンテナが壊れた」「フェンダーミラーが折れた」「リアワイパーが取れた」などの声が複数寄せられており、決して珍しい出来事ではないといえるでしょう。

 クルマが特殊な形状をしている場合やクルマに後付けの装備品を取付けている場合などは、洗車する前に注意書きをよく確認することが大切です。

 クルマに装備品が付いている場合でも、洗車機の設定によってその部分を回避できることがあります。

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 その他、過去に都内のガソリンスタンドではホンダのミニバン「オデッセイ」の洗車機利用を断る張り紙が貼られました。

 これは2020年11月5日に発表さたオデッセイのマイナーチェンジモデルに採用された「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」という機能が洗車機のブラシに反応することで開閉してしまい、車内が水浸しになるというトラブルがあったようです。

 そのため、ガソリンスタンドには「洗車中に勝手に開く恐れがある」という張り紙が掲出されました。

 なお2023年12月に発売された新型「オデッセイ」にはこの機能は付いていません。

 また他にも過去には、ミニバンに採用される電動スライドドアが同じく洗車機のブラシの接触により開いてしまうということもあったようです。

 こうした機能は、事前にオフにすることが出来るため、エンジンオフに加えて気にしておく必要があります。

 その他、自分のクルマが洗車を利用できるかの判断が難しい場合には、店舗のスタッフに聞いてみると良いでしょう。