雨が降ったりして湿度が高いとき、クルマの窓が曇ってしまうことがありますが、カーエアコンを有効活用すると曇りを取り除くことできます。正しいカーエアコンの使い方について紹介します。

「ぐるぐる」ボタンと「そよ風」ボタンの使い方とは!?

 クルマのエアコン(カーエアコン)には、外部の空気を取り入れない「内気循環」と、外の空気を取り込んで空調してくれる「外気導入」の2つのモードがあります。
 
 どちらにもメリットとデメリットがあり、上手に使い分けることが必要です。それぞれの特徴について紹介します。

 内気循環とは、読んで字の如く、クルマの外の空気が入らない状態で、車内の空気を循環させるモードのことです。

 カーエアコンの操作パネルのなかに、クルマの中に「渦を巻く」ようなアイコンがありますが、これが内気循環モードの切り替えスイッチです。

 外気を取り入れないので、たとえば、車外に気になるにおいが立ち込めていたとしても、車内にそのにおいは入ってきませんし、渋滞中であっても周囲のクルマの排気ガスを気にする必要はありません。

 また外気を取り入れないことで、冷暖房効率も高まります。

 一方の外気導入とは、こちらも読んで字のごとく、外気を取り入れるモードのこと。外気を取り入れることで、狭い車内の空気も常にフレッシュに保つことができます。

 外気導入モードのスイッチには「風がそよぐ」ようなアイコンがあり、内気循環と見分けられます。

 しかし外気導入では、外気を取り入れることで冷暖房効率が内気循環よりも劣り、においなどが外気の状態に左右されやすくなります。

 一方で内気循環を続けると、車外の空気を取り入れないために、人間の呼吸によって、車内の二酸化炭素濃度が徐々に上がっていってしまい、ドライバーに眠気や集中力の低下を生じさせる原因となってしまう可能性があり、それぞれ一長一短があります。

 ちなみにJAF(日本自動車連盟)では、車内の二酸化炭素濃度の上昇を避けるため、基本的には外気導入にしておくのが良いと推奨しています。

 JAFが行った実験では、東京都内の市街地を内気循環のみで1時間走行したクルマの車内CO2濃度は、最大で6779ppmにも達したといいます。

 CO2濃度は、3000ppmを超えると疲労感の増加や注意力の低下、眠気や頭痛を訴える人が増えるという研究報告があり、いかにCO2濃度が人間(ドライバー)に大きな影響を及ぼしてしまうかがわかります。

 ただ前述したように、外気導入にはデメリットもあり、車内を快適に維持するには上手な切り替えが必要といえます。

 たとえば真夏の暑い時期、クルマに乗り込んだ直後は外気導入とし、かつ窓を開けた状態で走行するなどして車内の熱い空気を逃がし、その後内気循環に切り替えて、効率よく快適な温度まで下げるのが効果的です。

 そして長いトンネルを走行している場合は、排気ガスの流入を防ぐため内気循環に切り替えておくことをオススメします。

梅雨の季節に窓が曇ったらどうするのが良い!?

 これから梅雨の季節が到来し、その後も夏から秋にかけて台風などの影響により集中豪雨に遭遇するシーンが増えます。

 特に外気温が高い雨の日には湿度も上がり、車内のフロントガラスなどが曇りがちになります。

 このような状況では、エアコンの除湿効果を高められる内気循環を利用するのがオススメです。

 逆に気温が低い時期に曇った場合には、フロントガラスの内側の曇りを集中的に除去する「デフロスター」を利用するとともに、外気導入に切り替えて外の乾いた空気を取り入れると、曇りが解消されやすくなります。

 湿度や気温の変化に応じて、内気循環と外気導入を上手く切り替えてみることが重要です。

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 花粉などのアレルギーが気になる場合、「カーエアコンで外気を取り入れると、外からの花粉やほこりが気になる」と感じる人も少なくないでしょう。

 しかしJAFによると、近年はエアコンフィルターの性能が向上しているため、外気からの花粉はある程度除去できるといいます。

 これまで紹介してきた通り、外気導入を基本としながら、気になることがあるときは内気循環に切り替えるのが、賢いカーエアコンの使い方です。

 内気循環を利用した後には、再び外気導入に戻すことも忘れずに心がけるようにして、カーエアコンの機能を賢く使い分けましょう。