帝国データバンクは30日、5月に値上げする食品の平均値上げ率が31%となり、2022年4月の調査開始以来、初めて30%を超えたとの調査結果を発表した。原材料価格の高騰に加え、円安が進み、輸入コストが上がったことや、賃上げで人件費が上昇したことが要因。

 値上げする品目数は417と1年前に比べておよそ半減したが、5月は改定幅が大きい商品が目立った。日清オイリオグループ、昭和産業、J―オイルミルズの3社がオリーブオイルを値上げし、業務用では上昇幅が80%に達する商品もある。

 約6割を酒類・飲料が占め、アサヒ飲料は希望小売価格を最大で36%引き上げる。これまで最大の平均値上げ率は前月の23%だった。

 10月までの予定を含めた値上げ要因では「原材料高」を挙げる企業が90.5%で最多だった。昨年と比べ「円安」や「人件費」を挙げる企業が増えた。賃上げを反映し、人件費を要因とする企業の割合は昨年の8.8%から28.2%に急増した。

 調査対象は主要な食品メーカー195社。