総務省が21日発表した5月の全国消費者物価指数(2020年=100、生鮮食品を除く)は107.5と、前年同月と比べ2.5%上昇した。伸び率は4月の2.2%から3カ月ぶりに拡大した。電気代の値上げが影響した。外国為替市場の歴史的な円安に歯止めがかからず、家計のやりくりは依然として厳しい。

 電気代の伸び率は14.7%だった。電気・ガス代を抑えてきた政府の補助金の影響で23年2月からマイナスが続いていたが、1年4カ月ぶりにプラスに転じた。再生可能エネルギーの普及目的で上乗せする賦課金が引き上げられたのが主因だ。

 他の項目では、生鮮食品を除く食料が3.2%上がった。値上げの動きが一服し、4月の3.5%から鈍化したものの高水準が続いている。品目を詳しく見ると、せんべいの上昇率が原材料価格の高騰で16.9%と目立った。生鮮食品では、天候不良で出荷数が減少したキャベツが72.8%の大幅な上昇となった。

 エネルギー関連の料金は今後、政府の補助金が6月使用分から廃止となる影響で一段と上昇する見通しだ。