【ソウル共同】韓国のソウル高裁は23日、1973年に韓国軍に連行され「北朝鮮のスパイ」として約6年間拘束、投獄された大阪府出身の在日韓国人、故崔昌一さんの再審で無罪を言い渡した。約50年ぶりに冤罪が晴れた。高裁は、不法に拘束して得た自供に証拠能力がないと判断した。

 娘の中川智子さん(42)=大阪市=は「母、兄はいまだに韓国が怖くて今日も(裁判に)来られなかった。父、母、兄の苦しみが癒えるかは分からない」と話した。

 崔さんは東大大学院で地質を研究する修士課程を修了後、1960年代から韓国で勤務。日本にいた北朝鮮工作員に指示され韓国の炭鉱の情報などを教えたなどとして起訴された。