展覧会「北斎『冨嶽三十六景』Digital Remix(デジタル・リミックス)」が現在、MOA美術館(熱海市桃山町)で開かれている。(熱海経済新聞)

 作品と現在の風景との比較展示(関連画像3枚)

 葛飾北斎の「冨嶽三十六景」全46図を展示する同展覧会。「冨嶽三十六景」は、季節や場所によってさまざまな表情を見せる富士山と生き生きと働く庶民の姿を描いた風景版画シリーズで、西洋から輸入された化学顔料「ベロ藍」を用いた鮮やかな発色も特徴とされる。

 版画の技を知ってもらおうと、1億5千万画素の高精細画像で撮影したデジタル画像を大画面に映写する。「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」など、同シリーズのうち18作品を映像として楽しんでもらう。

 作品の描かれた場所を同館スタッフが独自で取材して撮影した映像や画像と作品の比較展示も行う。来場者は、江戸時代に描かれた風景と現在の風景をじっくりと見比べていた。

 同美術館の広報担当者は「デジタル技術を活用した昨年よりもさらにパワーアップした展示を楽しんでもらいたい」と話す。

 5月21日まで。同展に続くデジタル・リミックス第2弾として5月24日から、歌川広重「東海道五十三次」を開く。

 同美術館の開館時間は9時30分〜16時30分。木曜休館。観覧料は一般1,760円ほか。