横浜アリーナ(横浜市港北区新横浜3)で5月25日、B1リーグ・チャンピオンシップ(CS)決勝戦が始まった。(港北経済新聞)

 横浜アリーナで迎えた決勝戦ティップオフ

 昨年10月に開幕したB1リーグ2023-24シーズンの優勝チームを決めるCSは、レギュラーシーズン上位8チームが2戦先勝のトーナメント方式で対戦。決勝に駒を進めたのは、昨季の王者でもある琉球ゴールデンキングス(以下、琉球)と、ワイルドカード上位から勝ち上がった広島ドラゴンフライズ(同、広島)となった。

 第1戦となったこの日は、1万2969人が来場。今村佳太選手の3ポイント(P)シュートで先制した琉球が3連続得点で序盤からリードを奪う。自身も3Pを決めた岸本隆一選手は「必死だった」とは言うものの「(試合開始)1・2分経ったくらいから『この感覚だったら自分たちのリズムでバスケットができるんじゃないか』という良い感触はあった」と好スタートを切れた様子を見せた。広島の中村拓人選手は「ちょっとしたスクリーンのタイミングとか、そういったかみ合わない部分があった」と苦しみながらも、自身の3Pやニック・メイヨ選手との連携プレーなどで得点を動かした。

 24−16と琉球リードで迎えた第2クオーター(Q)、追い上げたい広島はオフェンスファウルや得たフリースローを決めきれないなど約4半シュートが決まらない重い展開が続く。中盤以降は互いに好守を見せる場面もあったが、琉球がリバウンドなどから速い展開に持ち込み、松脇圭志(よしゆき)選手や牧隼人選手の3P、小野寺祥太選手のレイアップシュートなどで着実に得点を重ね43−25と点差を広げ前半を折り返した。

 後半序盤は、インサイドを突きつつ今村選手の連続3Pで琉球がこの日最大となる24点差を付ける。それでも広島は、CSで3Pの成功率が55%を超えている山崎稜選手が「簡単に打てないだろうとは思っていて、(琉球が)僕にボールを持たせないようなディフェンスをしていた」中でもチャンスを逃さずに3Pを2本沈める。さらにオフェンスリバウンドでつないだ攻撃で船生誠也選手も3Pも決め食らいついていく。

 62-43で迎えた最終Q。広島は長身の選手を3人同時に起用するラインアップで、「自分たちのプレーをすることができた」と河田チリジ選手がゴール下で連続得点を挙げるなどして7点差まで追い上げる。守備ではボールマンにプレッシャーをかけていくが、琉球は「チームとして空いている人を見つけてちゃんとボールを回した結果、僕や佳太のところにボールが来た」と岸本選手や、「躊躇すると流れの良いバスケットができないので打つべきシュートだった。もらった瞬間に打とうと思っていたし、入る確信もあって自信を持って打てた」と今村選手が3Pを決めて追随を許さず、74-62で先勝した。

 広島のカイル・ミリングヘッドコーチ(HC)は「『俺たちはチャンピオンチームだ』という気持ちを見せつけられた」と振り返り、「(自分たちは初の決勝で)少しエキサイトしすぎた部分はあるが、後半は落ち着いてできていた部分もあるので、敗戦やミスからしっかり学び出だしから落ち着いて自分たちのバスケットができれば」と2戦目を見据える。中村選手は「後半うまくできていたアグレッシブにやる部分としっかり固く守る部分を明日は前半に持ってこられるようにしたい」とも。

 琉球・桶谷大HCは「立ち上がりから自分たちがやりたいハードなディフェンスと、オフェンスで相手のウイークポイントを突くことができた。4Qでオフェンスが停滞したりターンオーバーや(広島の)オフェンスリバウンドからの失点が増えたりしてしんどい展開に持っていってしまった。そこを修正して明日に臨みたい」と話した。連覇に王手をかけたが岸本選手は「明日は0−0から始まる。何が起こるか分からないという経験も僕たちはしているので、明日に向けて良い準備ができたら」と気を引き締める。

 2戦目は26日13時10分試合開始予定。NHK総合などで放送や配信もする。