東京競馬場で5月19日(日)に行われるオークス(3歳牝・GI・芝2400m)。世代女王の座を目指して、多くの重賞ウイナーが顔を揃えたが、予想オッズでも1番人気に推され、中心視されているのが桜花賞馬のステレンボッシュ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)である。

 ここまで5戦して3勝、2着2回の連対率100%。抜群の安定感を誇っているが、その成績の源になっているのは、現役屈指の血統背景であろう。今回は800mの距離延長になるが、5代血統表を見るとあっさり克服しそうな気配がある。

 母系を5代前までさかのぼれば、エリザベス2世が生産・所有したことで知られるハイクレア(Highclere)に行き着く。同馬の孫がウインドインハーヘアなのでディープインパクトやブラックタイドはもちろんのこと、17年ダービー馬レイデオロ、12年の帝王賞を制したゴルトブリッツなどが同じ一族。また、翌週の日本ダービーに出走するレガレイラ、アーバンシックも同牝系にあたる。クラシックや大舞台で活躍した馬が多く、東京芝2400mは文句なしに相性の良い母系といえる。

 ステレンボッシュの場合、これだけにとどまらない。母の父がルーラーシップなので、ダイナカールとエアグルーヴ親仔の血も引く。2頭はそれぞれ、83年、96年のオークス馬。さらにダイナカール牝系からは、15年のダービー馬ドゥラメンテが出ている。そのドゥラメンテ、そして本場の母の父ルーラーシップの父は04年のダービー馬キングカメハメハだ。

 ダメ押しは父エピファネイア。同馬は日本ダービーで2着のほか、オークスと同舞台のジャパンCを勝った経験がある。そして何より、母は05年オークスを勝ったシーザリオ。その父は98年のダービー馬スペシャルウィーク。父系も東京芝2400mで強い血統といえるだろう。

 ウインドインハーヘア、エアグルーヴ、シーザリオ……競走馬や繁殖牝馬として日本の競馬界を支えてきた名牝が血統表に詰め込まれ、さながら“結晶”ともいえそうなステレンボッシュ。距離延長はまったく不安なし。オークスで二冠制覇を達成して、日本ダービーに出走する同じ一族のレガレイラ、ライトバックに勢いを与えてほしい。