日本ダービーが終わり、今週からは待望の2歳戦がスタート。東京では例年通り、土日で計3鞍のメイクデビューが組まれている。新種牡馬の産駒をはじめ、注目の良血やセレクトセールの高額取引馬がスタンバイ。どの馬が勝ち上がるのか、新たな世代の戦いが楽しみだ。

【6月1日(土) 東京芝1600m】

◆ウインアレース(牡、父ウインブライト、母ウインアルテミス、美浦・畠山吉宏厩舎)

 父は現2歳世代が初年度産駒の新種牡馬。半姉にはウインアグライア(コスモス賞、若駒S)がいる。「早めに入厩し、ゲート試験に合格後も順調に乗り進めてきた。コロンとした体形は父に似た感じがある。まだハミの取り方などに課題もあるけど、性格的な難しさはない。マイルから中距離までこなせそうだし、初戦から楽しみにしています」と畠山吉宏調教師。鞍上は松岡正海騎手が予定されている。

◆ウィンターベル(牡、父バゴ、母ノチェブランカ、美浦・木村哲也厩舎)

 母はJRA3勝。叔父にグレートマジシャン(毎日杯2着、日本ダービー4着)がいる。「気がいいし、真面目な性格。この時期としては体力もある。まだ物見をするようなところなど気性的に幼いので、そのあたりが競馬に行ってどうかでしょう」と木村哲也調教師。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

【6月2日(日) 東京芝1600m・牝馬】

◆エンブロイダリー(牝、父アドマイヤマーズ、母ロッテンマイヤー、美浦・森一誠厩舎)

 父は現2歳世代が初年度産駒の新種牡馬。母は忘れな草賞を勝っており、クイーンC3着など3歳戦で活躍した。「追い切りでは頭を上げて行きたがるようなところがあるけど、しまいの時計的にも十分に動けている。馬格もあるし、この時期としては完成度が高そうな感じ。芝向きの軽い走りをします」と森一誠調教師。鞍上はJ.モレイラ騎手が予定されている。

◆クライスレリアーナ(牝、父サートゥルナーリア、母シユーマ、美浦・木村哲也厩舎)

 父は現2歳世代が初年度産駒の新種牡馬。母はイギリスとカナダのG1(サンチャリオットS、E.P.テイラーS)を勝っている。半兄のブレステイキングはプリンシパルS2着、チャレンジC3着など活躍した。「追い切りでは楽な感じで動けているけど、牝馬らしい難しさがある。まだ土台には緩さがあるので、競馬に行っても動けるように課題を改善していきたいです」と木村哲也調教師。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

【6月2日(日) 東京芝1400m】

◆カルデライト(牝、父ナダル、母コーディエライト、美浦・森一誠厩舎)

 父は現2歳世代が初年度産駒の新種牡馬。母は新潟2歳S2着、ファンタジーS2着など2歳戦で活躍した。伯父にはサフィロス(京王杯2歳S2着)がいる。「筋肉質の体形。いいスピードがありそうだし、初戦から動けそうです」と森一誠調教師。鞍上はC.ルメール騎手が予定されている。

◆スターウェーブ(牡、父Kingman、母コスモポリタンクイーン、美浦・武井亮厩舎)

 昨年のセレクトセールに上場され、取引価格は3億円(税抜き)。伯母のArabian QueenはイギリスのG1(インターナショナルS)を勝っている。「牧場でも育成の段階から評判が高かった。繊細なところなど課題はあるけど、しっかりとコントロールができているし、ひと追い毎に反応も良くなってきています」と武井亮調教師。鞍上は三浦皇成騎手が予定されている。

(取材・文:竹之内元)