冷凍宅配食のサブスクリプションサービス「nosh(ナッシュ)」を手がけるナッシュは2024年4月、沖縄への送料を見直し、値下げしたと発表した。最大で550円の値下げとなる。金子真也生産本部長は「今回の沖縄県の配送料の値下げによって、お客さまがナッシュの良さを感じていただき、『長寿の沖縄』のさらなる健康の増進につながることがナッシュにとって大変な喜びとなる」と話す。

ナッシュは先行して2023年11月、北海道への送料を改定した。商品の輸送方法を従来の陸路から空路に変更した。大阪の物流センターの仕分け場から北海道の宅配業者まで、保冷コンテナを一貫輸送することで、高品質な保冷輸送を実現した。「物流2024年問題」を見据え、旅客定期便を使用した長距離輸送を実現することで安定的な輸送体制を構築した。


▲冷凍宅配食のサブスクリプションサービス「nosh」

今回の沖縄への送料改定は、上記の継続した取り組みとなる。先行した北海道への送料改定の反応について、「送料が安くなったことで、解約率も下がり、順調に新規の会員さまも増加している」(金子生産本部長)と話す。

沖縄は温暖な気候なため、冷凍食品の品質維持にはより高い注意が必要だ。全日本空輸とナッシュの連携により、保冷コンテナの一貫輸送で温度変化を最小に抑え、品質が保たれた配送を実現する。北海道同様、最大2日間の輸送時間の短縮につながる。

輸送方法を陸路から空路に変更したことで、送料は高くなると予想されがちだが、金子生産本部長は「商品を個別に空輸した場合は割高になると思う。このほか、地上輸送をどうするのか、自分たちで空港まで持ち込むのか、運送会社に委託するのかなど空輸には色々な課題が立ち塞がる。ナッシュでは従来から兵庫・尼崎市の製造工場から大阪・大阪市此花区の物流センターまでの輸送を自社トラックで内製化しており、この自社リソースを組み合わせることと、航空コンテナの積載率を最大化する工夫を行うこと、キャパシティに余裕のある昼間の旅客便の貨物室を利用することを組み合わせることで送料単価を下げることに成功した」と説明する。