ecbeingは2005年から、BtoBサイト構築プラットフォーム「ecbeing BtoB」を提供している。中堅・大手向けのBtoC‐ECサイト構築実績でトップシェアの同社は、中堅・大手向けのBtoB‐ECでもトップクラスの実績を誇る。豊富な実績を生かし、充実した標準機能を備え、「オープン型」「クローズ型」など幅広く対応できる。営業、開発、サポートにおいてもBtoB‐ECに長けた人材を用意し、導入企業の業務効率化、売上拡大に貢献している。BtoB‐EC構築の現状や強みについて、上席執行役員マーケティング営業本部 副本部長の斉藤淳氏に聞いた。


<コロナ後に依頼が増加傾向>
――BtoB‐ECサイトの構築依頼の状況は?

BtoB‐ECの引き合いは、コロナ後に増えている。BtoC‐ECの場合は、コロナ禍に実店舗が運営できない状況があったり、もともとECサイトを運営されている事業者が多かったので、コロナ禍の間の引き合いも多かった。BtoB‐ECはコロナ禍には、リモートワークの体制を取る企業も増えたりしたことで、システム投資が前向きに進まなかったケースも多く、コロナ後から案件が出始めたイメージだ。BtoC‐ECはECサイトのリニューアルの依頼も多いが、BtoB‐ECは新規構築の依頼がメインとなっている。

――BtoB‐ECと一言で言っても、さまざまなケースがあると思う。ecbeingで対応できるのはどのようなケースか?

当社では法人顧客に向けて商品情報を公開して、新規顧客やロングテール層の開拓にもつながる「オープン型」、既存顧客との取引をウェブ化し、作業効率や業務負担を軽減できる「クローズ型」のどちらにも対応できる。

電話やFAXで営業担当者が注文を聞き、それを事務担当者が手入力で処理している事業者さまが、業務をウェブ化し、業務効率を高めようと「クローズ型」のBtoB‐ECサイトを構築するケースが比較的多い。大手企業では、電子データで受発注や出荷、納品、請求、支払いなどの情報をやり取りする「EDI(電子データ交換)」のシステムを構築するケースも多い。

ほかにもBtoBtoBやBtoBtoCといったタイプのシステム構築にも対応している。当社では「ecbeing BtoB」というBtoB‐ECに特化した製品を持っており、実績も豊富なため、幅広い案件に対応できる。

――BtoB‐ECに特化した製品として「ecbeing BtoB」の提供を開始したのはいつごろか?

2005年から「ecbeing BtoB」を提供している。BtoC向けの「ecbeing」が1999年から提供しているので、その6年後からBtoB版の「ecbeing BtoB」をリリースし、すでに18年間提供し続けている。

「ecbeing BtoB」は、「ecbeing」とは別の部隊が開発を手がけている。営業やサポートもBtoBの知見が豊富なメンバーが担当している。

――「ecbeing BtoB」の対象事業者の規模は?

対象は「ecbeing」同様に中堅・大手の事業者。中小事業者向けには、低コストかつスピーディーにBtoB‐ECを構築できる「ecworks」を提供している。カスタマイズが必要なケースは、「ecbeing BtoB」が適している。「ecworks」から「ecbeing BtoB」にスムーズに移行することも可能だ。ご相談いただければ、お客さまのニーズや予算感で両方のソリューションを提案できる。


<機能、ノウハウに強み>
――BtoB‐ECサイトの構築における強みは?

豊富な開発実績が強みだ。BtoB専用パッケージとして18年間提供しており、中堅・大手向けの開発実績としてもナンバーワンだと考えている。長年の実績から法人取引に特化した標準機能をしっかりと備えている。そのため、顧客企業の実現したい機能を標準機能でカバーできるフィット率が高い。

カスタマイズにも自社でしっかりと対応できる。当社は業界随一のリソースを持っており、BtoBが得意なメンバーが多く在籍している。

BtoCのノウハウを生かした、24時間365日体制の監視体制も強みだ。保守対応やセキュリティーなど万全の体制を誇っている。

豊富な開発実績からBtoB‐ECのノウハウも蓄積できている。法人取引に必要な要素や課題を理解しており、BtoB専門の営業担当者が最適な提案を行うことができる。

われわれは決して価格訴求ではなく、顧客企業の実現したいシステムを開発するとともに、付加価値を提供することで評価していただいている。開発後もしっかりと伴走型のサポートを提供し、BtoB‐EC事業の成功に導く。

――中堅・大手向けのBtoC‐ECサイトの開発実績もトップクラスだが、BtoCのノウハウがBtoBに生きる面もあるのか?

開発やマーケティングのリソースが豊富な点は、BtoCも手がけていることが背景にある。さらにBtoB‐ECでも導入企業さまの売り上げを伸ばしていくことが求められるケースは多い。マーケティングに関してはBtoCのノウハウが非常に生きてくる。

当社が提供するマーケティング分析ツール「Sechstant(ゼクスタント)」は、BtoC‐EC事業者さまに提供しているケースは多いが、BtoB‐ECで活用するケースも増えている。


<商談支援ツールも提供>
――他社にあまりない機能やオプションは?

オンライン商談システムツール「WEBセールス・オフィス」というオプションを提供している。導入企業さまの営業担当者がBtoB‐ECサイトを営業活動に活用するためのサービスだ。営業担当者が管理画面にログインすると、自分の営業担当企業がどのような商品を購入しているか、どのような見積もりを出しているかなどを確認でき、場合によっては顧客企業に代わって商品購入手続きを行ったり、見積もりを作成したりすることができる。どれだけウェブ化が進んでも、法人担当の営業社員は必要だと思う。その営業担当者の業務や商談をより効率的に行うためのサービスとして提供している。


▲「WEBセールス・オフィス」のイメージ

「サプライヤーオプション」という機能もあり、仕入れ先(サプライヤ)が専用の管理画面から自社商品の登録や注文処理情報をできるようにすることで、仕入先の発注を自動化することも可能だ。


▲「サプライヤーオプション」のイメージ


<VAIOのBtoBーECを構築>
――どんな導入事例があるのか?

パソコン(PC)メーカーのVAIOさまのBtoB‐ECサイト構築に採用していただいている。もともと個人向けPCの販売サイト構築で「ecbeing」を活用いただいた。VAIOさまがBtoB販売に注力する方針をお持ちだったことから、「ecbeing BtoB」を採用いただき、2016年に法人向けの販売サイトを構築している。

VAIOさまはメモリやCPUなど自分でカスタマイズして注文できるCTO(注文仕様生産)方式でPCを販売している。BtoB‐ECでもBtoCで開発したBTOの仕組みを活用し、営業担当者がクライアントのニーズを聞き、見積りを出して注文を受け付けることができる仕組みを構築した。

VAIOさまは、BtoBのデジタルマーケティングにも力を入れており、業務の効率化やワークスタイルの改革をめざす企業のための情報支援サイト「Work × IT(ワーク・イット)」を運営するなど、コンテンツマーケティングも積極的に展開している。

マーケティングオートメーション(MA)や営業支援ツール(SFA)と連携したマーケティングも実施しており、当社はVAIOさまの戦略をシステム構築の面で支援させていただいた。



■「ecbeing BtoB」
https://www.ecbeing.net/b2b/