本紙はこのほど、EC事業者に対して、ECサイトへの「EMV3ーDセキュア(S)」の導入状況について聞くアンケート調査を実施した。アンケートの結果、35社中15社(42.9%)が「対応している」と回答した。「対応していない」と回答したのは、20社(57.1%)だった。「導入準備中」とする事業者も複数あった。一方で、「カゴ落ちを避けるために対応していない」とする企業もあった。

本紙が行ったアンケート調査では、「EMV3ーDSの導入に対応していない」理由について聞いたところ、「導入準備中」「システム構築中」「今期中に対応予定」などと、既に導入に向けた開発を進めている旨の回答が、7社から寄せられた。



一方で、「カードの登録時に、カード会社の決済画面に遷移させているから不要」とする声もあった。「カゴ落ちの懸念があるから」「カゴ落ちを避けるため」など、導入によってデメリットが生じることを未導入の理由とする事業者もあった。
 
「すでに導入に向けて対応している」とする企業からは、「カート側で対応済み」などの声が寄せられた。
 
「EMV3ーDS」については、2025年3月末までに、原則すべてのEC加盟店について、導入が求められている。
 
導入しない場合、EC加盟店に罰則はない。ただ、クレジットカード会社や決済代行会社に加盟店の監督責任があり、カード会社との契約関係に関わるといわれている。
 
EC加盟店の中でも、クレジット情報の不正利用が発生している「不正顕在化加盟店」については、「EMV3ーDS」の導入に即時着手することが求められている。




■<第1回>2024年4月時点で対応済みは3割か 今後ベンダーに開発が集中のおそれ
https://netkeizai.com/articles/detail/11418


■<第2回>かご落ちリスクは商材次第 定期購入はリスク低いか?!
https://netkeizai.com/articles/detail/11543