ニチコンは21日、同社従来品比で許容リプル電流(コンデンサーに流れる電流量)を約40―50%増やしたリード線形アルミ電解コンデンサーを開発したと発表した。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリー充電に必要な機器「オンボードチャージャー(OBC)」など向け。車載関連機器用途での高許容リプル電流コンデンサーのニーズが高まっていることに対応する。消費税抜きのサンプル価格は35円から。

開発したのは「UTFシリーズ」。直径18ミリ×長さ36ミリメートル、静電容量120マイクロファラド(マイクロは100万分の1)の製品では、許容リプル電流は同社従来品比で51・1%増となる。OBCに使われるコンデンサーの個数を削減できる。直径18ミリ×長さ31・5ミリメートルからの5サイズを用意した。生産子会社のニチコン大野(福井県大野市)で9月から月産5万個で量産する。

車載バッテリーは高容量化が進み、OBCにも大電流が流れるため、高許容リプル電流のコンデンサーの需要が高まっている。