はじめましての方もはじめましてじゃない方もこんにちは。ミニマリストでフリーコラムライターで三度の飯と同じくらい他人の持ち物観察が好き、阪口ゆうこです。
 昨今のもの選びをお助けするのはやはり口コミ。憧れの暮らしをしている方の持ち物を知って参考にすることではないでしょうか。今日は無印良品のスタッフ兼ミニマリスト兼イラストレーターのけめ子さん(@imoimo.life)に、インテリアが激烈に締まるイチオシアイテムをうかがって、無駄に元気に垂れ流そうと思います。

◆「ミニマルライフのQOLは必ずアガる」

 ミニマルな暮らしをしつつも、普段は無印良品のスタッフとイラストレーターという二足の草鞋を履くけめ子さん。

 マイホームを建てたのはいいけど……温かみのあるベージュの壁に明るい木目の建具や柱という、甘めでナチュラルな雰囲気に自分の好みとは少しズレを感じていたのだとか。けめ子さんが諦めずに目指したのはメリハリだった。彼女は自信満々に云う…「無印良品でミニマルライフのQOLは必ずアガる」。

◆1:無駄がなさすぎる「デジタル温湿度計」

 けめ子さんがいちばん熱量高めに紹介してくれたアイテムが、同じフォルムの時計と温湿度計「デジタル温湿度計」。そのぱっと見の愛くるしさにかわゆい!と安易に言葉が出たが、選ばれる理由が深かった。

「年齢を重ねれば重ねるほど、湿度ってものすごく重要なことに気づいたのです」

 この言葉を聞いて私は首がもげるほど頷いた。実際、20〜30代はどんな環境でもなんとも思わなかったが、湿度が低くカラカラになるとお肌や髪には大ダメージ、冬だと感染症のリスクがとてつもなく上がる。逆に湿度が高すぎてもカビが繁殖したり結露で建材に被害が生じたりと、家にもダメージがある。

 けめ子さんは、湿度を確認して部屋干しをリビングに移動させたりと、湿度調整が習慣化しているとのこと。「体調不良に時間やお金を使いたくない」の言葉にも、もはや鞭打ち覚悟の頷きは止まらなかった。湿度を制するものは健やかな暮らしを制するのである。

 ミニマリストポイントとして見た目は重要。無駄のない、いや、無駄がなさすぎる必要最低限の数字の表記。遠くからでもバッチリ読めるというデカ文字も大きなポイントなのだとか。

「ものが少ないガラーンとした空間に、時計と温湿度計をちょんちょんと並べるだけでキュンキュンが止まらなくなる」というけめ子さん。ナチュラル感が漂う空間ゆえに対局の黒の存在感にはハッとさせられる。

◆2:香りと光の癒し効果!「水を使わないアロマディフューザー」

 好みの香りとやわらかく暖かい灯りでリラックスを促すアロマディフューザー。無印良品のエッセンシャルオイルを原液のままセットして、従来のアロマディフューザーでは超絶に面倒くさかったという水の補給が不要になったというヒット商品が「水を使わないアロマディフューザー」。

「ズボラさんでも継続してアロマを堪能できる!」と、メンテナンスの面でミニマルな逸品だとけめ子さんは云う。

 このこの! 北欧意識しちゃってんじゃないの!?といじりたくなるくらい見た目もシンプルでキュート。今まで販売された同ブランドのアロマディフューザーよりも圧倒的に「今風」な出立ちも人気の理由なのだとか。

 けめ子さんは暮らしの中でこだわることが3つあり、それは「光」「香り」「グリーン」だという。どれも生活の中では癒しに大きな効果をもたらしてくれる大事な要素だ。

 物欲が減っていくと今度は、自分の力だけでは生み出せないものに尊さを感じるようになり、家族の居心地を最優先に考えるもの選びをするようになったけめ子さん。このアロマディフューザーは心地よい「光」「香り」のふたつを一瞬でゲットできるという点で日々重宝しているのだとか。

◆3:配線の悩みを解消「スチールタップ収納箱フラップ式・ダークグレー」

「最後に無印良品スタッフとしてミニマリストとして、次に狙っているアイテムをお教えしたい」。そう言ってけめ子さんが教えてくれたアイテムが、このスチール製の無機質なボックス。

「スチールタップ収納箱フラップ式・ダークグレー」は、誰もが頭を抱える配線のゴチャを視覚から排除して、なかったことにしてくれるのはもちろんのこと、「表に出しっぱなしでもカッコよくね?」と思わせてくれる圧倒的なハードボイルドさがウリの配線収納用品である。

 働いてる店舗のバックヤードで採用されていて、「本当によく考えられているんですよね〜。配線に悩んでいる人には絶対オススメする!」と熱く語ってくれた。

 ホコリが混入しにくいようにフタがついていて、正面と左右の下部にもケーブルの入口があり、配線を通す自由度が高い。

 ズレにくいように脚には滑り止めがついていて、充電タップ等から発する熱を逃せるように、底には通気口が開いていて安全性も考えられている。

 スチール製なので頑丈さはお墨付き。配線収納アイテムは最近どこでも売っているけど、こんなにインテリアとしてもかっこよく締まるデザインは見たことがない。

 聞けば聞くほどよく考えられていると筆者も納得。熱をビシビシと感じる取材中、ネットショップのカートにそっと入れてしまった。中のスペースも充分で、これまで忌まわしくて仕方なかった有り余る延長コードには「この中だったらなんぼでも渦巻いていいよ」と、いまだかつてなく優しい気持ちになれそうだ。

 しかし、現在のけめ子さんは、まだ買わないという判断に至っている。なぜ今買わないのですか?と問うたところ「……家電も厳選しているので今は配線自体も少なくて」とのことだった。買わない理由もまさにミニマリストならではだった。

 暮らしで工夫が必要な時に、無意識レベルで商品を検索してしまう無印良品の魅力は、老若男女に「ちょうどいいアイテム」が豊富なところ。そしてそれら全てに無駄のない美しさが考えられているところ。

「無印良品でミニマルライフのQOLは必ず爆上がる」。プロに訊くことでより一層、無印良品が好きになったのは言うまでもない。

<TEXT/阪口ゆうこ>

【けめ子】
インスタグラムでも無印アイテムを紹介中。Instagram:@imoimo.life



【阪口ゆうこ】
1981年生まれ。整えアドバイザー。片付けや整えについてのブログ「HOME by REFRESHERS」を運営。コラムなどの執筆、セミナー開催を行う。著書に『ゆるミニマルのススメ』などがある。好きなものはビール、宴会、発信すること。嫌いなものは戦争、口内炎、マラソン。 Instagram:@sakaguchiyuko___