【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】

 24日から公開となった映画「帰ってきた あぶない刑事」が話題になっているんだそうだ。映画業界でアニメ以外のヒット作がなかなか登場してこない現状の中、映画チケットサイト「ムビチケ」の前売り券が発売開始3日間で1万9280枚を販売したそう。2016年の前作「さらば あぶない刑事」の200%超えというからすごい。

 話題を盛り上げるイベントも数多く行われた。横浜市の百貨店で過去に映画で使用された衣装やアイテムを展示したり、監督や出演者のトークショーなどを開催。3万人を超えるファンが駆けつけたという。

 作品の舞台となる横浜では「ザよこはまパレード」にタカ役の舘ひろし(74)、ユージ役の柴田恭兵(72)がオープンカーで飛び入り参加した。さらにプレミアイベントには舘、柴田のほか、浅野温子(63)や仲村トオル(58)の主要キャスト、土屋太鳳、吉瀬美智子、西野七瀬といった出演者が登場した。また、別の場所では過去の名場面などを流すフィルムコンサートも行われている。

 逆にいえば、製作スタッフはこれだけ努力することで、映画のヒットを狙うということだ。

 一方、「あぶない刑事」を見ていた世代もかなり年配になっている。わざわざ映画館に足を運ぼうというには“おっくう”な年齢かもしれない。だが、白髪頭の舘ひろしが今もダンディーな姿を見せてくれると、こちらまで元気な気分になる。

 僕自身も舘に大きな気遣いをしてもらったことがある。実は、僕はあぶない刑事の映画にほんのチョイ役ながら出演させてもらった(05年「まだまだあぶない刑事」)。もちろん、リポーターが本職の僕が出るのだから、当時レギュラー出演していたワイドショーで時間を取って映画を扱う約束だった。僕は厚かましくもエンドロールに城下の名前を出してくれと頼んで参加した。その際、柴田恭兵から「ヘタな小芝居、いらないからね」と“演技指導”をいただいたのもいい思い出だ。

 その後、主題歌のレコーディングの席で映画プロデューサーから「エンドロールに名前を入れるのを忘れた。編集も終わったので勘弁して」と言われたのだが、厚かましいお願いだったこともあるし、「大丈夫です」と僕は答えた。

 そんなやりとりを舘が耳にしていたようだ。後日、プロデューサーが「編集しなおして名前を入れる」と言ってきたのだ。どれくらいの追加製作費や時間がかかったのだろうか……。舘が「約束は約束だ」と意見したそうで、彼は僕にわかられないように配慮してくれたようだ。

 そんな人物だからこそ何年経っても主要キャストが集まってくるし、スタッフたちもイベント成功に尽力してくれるのだと思う。まさに彼の人柄で人が集まるのだろう。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)