<ドジャース6−3マーリンズ>◇6日(日本時間7日)◇ドジャースタジアム

【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)6日(日本時間7日)=久保賢吾、斎藤庸裕】3冠王も視野に入った。

ドジャース大谷翔平投手(29)が、今季初の3戦連発となる同点の11号2ランを放ち、本塁打争いで両リーグ単独トップに立った。3試合連続のマルチ安打でリーグトップの打率は3割7分に上昇。27打点で打点争いでも3位に浮上した。この日はナ・リーグの週間MVPを獲得。同リーグでは初で、通算では8度目の受賞だった。

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カーショーも驚かせる強烈な打球音とともに、大谷の描いた放物線は、中堅バックスクリーンへと伸びた。2点を追う1回無死一塁、カウント2−2からマーリンズ・ムニョスの外角高めの96・1マイル(約155キロ)の速球を強振。今季初、通算7度目となる3戦連発の同点の11号2ランを放った。

無双状態に入った。打ったのは外角高めで、キャリアでは最も本塁打が少なかったゾーン。さらにはメジャー移籍後、毎年1割台だった2ストライクからの1発だった。今季は同条件で打率2割8分9厘と大幅に上昇。441フィート(約134・4メートル)の飛距離もさることながら、確実性も増した。この日も2盗塁と打って、走って、ダイヤモンドを駆け回り、チームの5連勝に貢献した。

ベッツ、フリーマンら強力打線で相乗効果が生まれる。試合前に専門局MLBネットワークの番組に出演した大谷は「ムーキー(ベッツ)が出塁している状況が続いているので、比較的ポジティブな感じで打席に立てている」と分析。そのとおり、2ランはベッツの四球の後だった。ロバーツ監督は「ストライクゾーンをしっかりと見極め、ナイトロゾーン(打つべきゾーン)を打てている」と好調の理由を挙げた。

3試合で4発と量産モードに突入し、本塁打王争いで両リーグ単独トップに立った。打率3割7分も両リーグトップで、打点王争いでも3位に浮上。昨季限りで引退した元タイガースのカブレラは、昨年9月に自身が12年に達成した3冠王について「彼が次だろうな」と大谷が達成する可能性を示唆したが、3冠王も一気に視野に入った。

試合前には、移籍後初の週間MVPの受賞も発表された。5試合で打率5割2分4厘、3本塁打、7打点、2盗塁。長打率9割5分2厘、出塁率5割8分3厘、OPS1・535で、打率、出塁率、OPSで両リーグトップの好成績を残した。週間MVPをエンゼルス、ドジャースの両チームで受賞したのは、野球殿堂入りしたドン・サットン以来2人目。また新たな勲章を手にした。