<UEFAチャンピオンズリーグ:レアル・マドリード2−1バイエルン・ミュンヘン>◇8日(日本時間9日)◇準決勝第2戦◇サンティアゴ・ベルナベウ

【マドリード=高橋智行通信員】最多14度優勝のレアル・マドリード(スペイン)がホームでバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に2−1で逆転勝ちし、2戦合計4−3として2季ぶりに決勝に進んだ。0−1の後半43、46分に途中出場のFWホセル(34)が決めて逆転。試合のMVPにはFWビニシウス(23)が選ばれた。6月1日にロンドンのウェンブリー競技場で行われる決勝で、ドルトムント(ドイツ)と対戦する。

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左サイドを制圧し、試合のMVPに選ばれたビニシウスは「これがレアル・マドリードだ」と言った。「僕らは決して諦めない」。不屈の精神力で敗色濃厚の終盤に2点を奪い、劇的な逆転勝利を収めた。1−1の後半46分、オフサイドとされたホセルのゴールがVARによって認められると、控え選手らがベンチから一斉に飛び出し、本拠地は歓喜に包まれた。

選手たちはユニホームの下に「15度目を目指そう」と書かれたシャツを着て臨んだ。だが、後半23分に一瞬の隙を突かれて失点。逆転を目指して攻め立てたがゴールは遠い。それでも追い込まれてからがレアルの真骨頂。土壇場で勝負強さを発揮してひっくり返した。アンチェロッティ監督は「説明がつかないことが起こった。魔法のようなもので全く説明できない」と静かな口調で語った。

今季は2季ぶりにリーグ優勝を決め、スペイン・スーパー杯も制覇。クラブ総収入1位の「白い巨人」はCLを制した場合、賞金約1億5000万ユーロ(約248億円)を手にする。スペイン紙マルカによると、3冠達成なら選手1人当たり約140万ユーロ(約2億3100万円)のボーナスが支給され、同じく3冠の21−22年から50万ユーロの増額になるという。

2年前は新型コロナウイルスの影響を受けたが、そこからクラブの収入は完全に回復。最多6度目の決勝進出となった指揮官は「チームは会長によって非常にうまく運営されている。歴史と伝統がある」。優勝候補筆頭は、苦しみながらも順当に勝ち上がった。