ソフトバンクの川村友斗外野手(24)が27日、東京都内で開かれた「日本生命セ・パ交流戦」(28日開幕)の開幕記者会見に臨み、育成出身選手で初となる最優秀選手(MVP)への意欲を口にした。トークショーに同席した元ロッテの里崎智也氏から意気込みを問われ「チャンスがあれば狙っていきたいです」と即答した。

 2021年に育成2位で入団し、今季開幕前に支配下選手登録された川村にとって、球団の垣根を越えて日本中のプロ野球ファンから注目される会見に臨むのは初めて。会見後は「1軍にいれるからこそたくさんの方に知ってもらえる機会が多い」と実感しつつ「苦手です、やばいです。なにしゃべっていいか分からないです。MVPはなしで」と照れる様子も見せた。

 意識しなくても、チームに貢献すればおのずと賞は見えてくる。今季はプロ初スタメンした4月6日の楽天戦で2打点をマークするなど、32試合に出場して打率2割9分6厘、6打点。打点を挙げた4試合はいずれも勝利しており「試合に出たらチームの勝ちにつながるようなプレーをしたい。チャンスで回ってきたら打点を挙げるのが一番」と心がけた。

 2005年に始まった交流戦で、ソフトバンク勢はMVPを最多の8度獲得してきた。2度受賞した柳田を筆頭に主力が並ぶが、現役生活を通じて守備固めや代走での起用が多かった城所龍磨が16年に交流戦トップの打率4割1分5厘をマークし受賞するなど、短期間で勢いに乗る例もある。「小久保監督も『交流戦から流れが変わる』と仰っていた。そこはしっかりやっていければ」と川村。ペナントレースの首位固めをする意味でも、勢いを加速させるキーマンになる意気込みだ。(末継智章)