戦時中フィリピンのルソン島で戦死した香川県観音寺市の当時23歳の男性。その遺品が元アメリカ軍兵士の家族から79年ぶりに遺族のもとに戻ってきました。

返還されたのは寄せ書き入りの日の丸。1945年5月フィリピンのルソン島で戦死した観音寺市の成岡明さん当時23歳が戦地で身に着けていたものです。出征のとき20人ほどが名前を書き贈ったとみられます。

日の丸はアメリカ・アイダホ州に住むボブ・ブルーイントンさんが元米軍兵士の父親が持っていたとして団体を通じて返還。甥の義一さん(67)のもとに届けられました。

甥の成岡義一さん「戦後79年を経て伯父が帰って来たような気持ちです」

甥の義一さんは戦死した伯父のことを祖父母や両親からほとんど聞かされていませんでした。

義一さん「戦争のこと、当時のことはあまり話したくない」

しかし、遺品にはかつて敵国だったボブさんから手紙が添えられていました。

「父がどのようにしてあなたの伯父様の旗を入手したのか知らずにすみません。多くの退役軍人と同様に私の父も戦時中のことをほとんど話しませんでした。この旗の返還により、あなたとご家族の皆様のお心に安らぎがもたらされますように」

義一さん「感謝です。持っていただいたのは。戦争を今もしている国があるが決していいことはない。平和が一番いいと思います」

義一さんは遺品を仏間に飾り、子や孫たちに平和の大切さをつたえていくということです。