「LIFULL」(ライフル、東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」が、一都三県におけるシングル向き賃貸物件を対象とした「人気の上がった駅ランキング(シングル編)」を発表しました。今回は「埼玉県」です。

5位は学生の需要が影響?

 対象期間は2023年4月1日から2024年3月31日。同サイトに掲載されたシングル向き賃貸物件(ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K)の問い合わせ数を駅別に集計(一定以上の問い合わせ数がある駅を対象、物件数1000件未満の駅は除く)。なお、家賃相場は「築40年以内」「駅徒歩20分以内」「専有面積15平米以上40平米未満」の賃貸物件について、管理費を含む月額賃料から中央値を算出しています。

 埼玉県の1位となったのは「北朝霞」(朝霞市)。家賃相場は6万3000円です。東武東上線の「朝霞台」と隣接している同駅は、池袋まで4駅(22分)、川越まで3駅(14分)で行くことが可能。また、JR武蔵野線はJR中央線・西武池袋線・JR京浜東北線・根岸線など、都心から放射状に伸びる多くの路線と接続するため、交通利便性のわりに家賃相場が安く、コスパがよいといえそうな駅です。

 なお、5位にランクインした「高坂」(東松山市)は大東文化大学の最寄り駅。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、リモート授業から通学に変更となった学生の需要の影響が考えられるということです。

 調査結果を受けて、LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリストの中山登志朗さんは「円安の継続による諸物価の高騰や生活費全般の上昇は、これらシングル向け賃貸住宅を借りるユーザーの懐を直撃しており、ターミナル駅から数駅先の賃料が比較的安価な普通停車駅で問い合わせ数が大きく増加しています」「コロナ禍が明け、生活環境が再び大きく変わり、移動の本格化と生活費の上昇という要因によって、賃貸住宅探しは『コスパ』はもちろんのこと、『タイパ』も重要視するユーザーが増えていることが明らかになりました」とコメントを寄せています。