朝、テレビ番組やアプリなどで天気を確認してから出かけるという人も多いとは思いますが、メディアに天気予測の情報を届けているのは、気象予報士です。私たちが生活する上でなくてはならない職業といえますが、気象予報士試験の合格率は10%未満といわれており、難関です。

 もし気象予報士試験に合格した場合、どのような場所でこの資格を生かすことができるのでしょうか。気象予報士のきりたんさんに聞きました。

Q.気象予報士の資格を取得するには、どの程度の費用がかかるのでしょうか。

きりたんさん「気象予報士の資格を取得するためには『気象予報士試験』という国家資格試験に合格する必要があります。この試験の受験料は全科目受験の場合、1万1400円で、免除科目がある人はもう少し費用を抑えることができますね。

多くの国家資格と異なり、気象予報士試験は受験資格がないため、学歴や実績・性別・年齢などを問わず、さまざまな人が受験できます。しかし、合格者は毎年全体の数パーセント程度と非常に難関であるため、試験対策として『気象予報士通信講座』を受講する人が多いですね。気象予報士を目指すための通信講座は複数あり、2万円程度から数十万円までと、金額はさまざまです。

私の場合は、ユーキャンの通信講座を受講したほか、5年分の過去問題集を購入したため、かかった費用は合計で10万円程度でした」

Q.「気象予報士」の資格を取得したときの収入の目安について、教えてください。

きりたんさん「インターネット上では平均額が300万〜500万円程度と表記されていることが多いのですが、働き方や就職先によって差はあると思います。

テレビ番組に出演している、知り合いの気象予報士に聞いたところ、朝の情報番組などで『お天気キャスター』のような立場で働く人たちは、番組出演料などが高額になることもあるそうですよ」

Q.気象予報士の資格を生かせる就職先を教えてください。

きりたんさん「気象予報士の資格が生かせて、かつ就職先の筆頭となるのが『気象庁』と『民間の気象会社』の2つですね。気象庁で働く場合、気象予報士の資格は必須ではありません。また、意外と思われるかもしれませんが、自衛隊にも気象予報をする部隊があるんですよ。

気象会社はウェブサイトや天気予報アプリなどで掲載される気象情報を予測するほか、コンピューターやAIを駆使した独自の気象予報システムの開発に携わることもあります。

また、直接、気象予測をする仕事ではないのですが、『気象データアナリスト』という、天気と関わりの大きい業務やビジネスに対して、課題解決や新たなビジネス創出をサポートするという、新しい働き方も徐々に増えています」

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 気象予報士といっても、実にいろいろな働き方や就職先があることが分かりました。それぞれの機関では、独自のデータを利用しているほか、予測の方法も異なるのだそうです。

 また、コンピュータによる情報予測が以前よりも発達し、昔よりもデータの精度が向上しつつあるということで、今後のさらなる発展に期待したいですね。