Yoshifumi Takemoto Makiko Yamazaki Tetsushi Kajimoto

[東京 1日 ロイター] - 与党内で円安対策の一環として、海外資産を本国に送金する企業の法人税を減免する減税案を支持する声が出ている。早ければ6月にも政府がまとめる経済・財政政策の基本方針「骨太の方針」に盛り込む可能性がある。もっとも効果について財務省はこれまでのところ慎重とされ議論は曲折を経そうだ。複数の自民党幹部が1日までに明らかにした。

減税案は、構造的な貿易収支の悪化傾向が円安圧力となっているなかで、ドル売り円買いを増やすことで、円安是正につなげるのが狙い。国内送金による為替手数料を節約するため海外でドル資金をプールする企業などに国内送金を促したい考え。

議論が本格化するのはこれからだ。複数の自民党幹部によると、今後のスケジュールとして、1)年末の税調で議論、2)6月にも政府が取りまとめる骨太方針の円安対策の一部として記載する─ことなどが考えられるという。

一方で、国内送金減税は「昨年も検討したが財務省が消極的で断念した経緯がある」(自民幹部)。すでに日本では国際的な二重課税を排除するために2009年度の税制改正で、外国子会社から受けとる配当の95%相当額を非課税所得とすることを認める「外国子会社配当益金不算入制度」という税優遇策が導入されている。非課税となっていない残り5%の配当益金を税優遇したとしても、大きな還流効果は見込めないとの意見もある。