Elizabeth Pineau Bart Biesemans Ingrid Melander

[タルブ(フランス) 7日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は2日間にわたるフランス訪問の日程を終えた。マクロン仏大統領は一貫して貿易不均衡の是正や欧州企業の中国における市場アクセス改善、中国の輸出品向け補助金の削減などを迫ったが、習氏から貿易や外交政策で大幅な譲歩を引き出せなかった。

マクロン氏は6日にパリで会談したのに続き、7日は南西部ピレネー山脈の景勝地に習氏を夫人と共に招き、昼食会を開いた。

仏大統領府筋によると、当地では「友好的で非常に率直な対話」を行い、ウクライナを侵攻するロシアに中国の影響力行使を求めるフランスの立場を伝えたという。

両首脳はそれぞれ夫人を伴い、伝統舞踊を鑑賞後、地元産のハムや羊肉、チーズ、ブルーベリーパイを食べた。習氏はハムやチーズを気に入ったようだった。

マクロン氏はピレネー産のウールブランケットなども贈った。

習氏は貿易摩擦に関してさらなるハイレベル協議の実施を歓迎すると述べたが、中国に「過剰生産能力」の問題は存在しないとし、今後の対話に影を落とした。

仏モンテーニュ研究所のマシュー・デュカテル氏は「習氏は仏側に誠意を見せたが最も重要な問題について具体的な譲歩は示さなかった」と指摘した。

農業に関して中国が豚由来タンパク質飼料と豚内臓肉の輸入を許可するなど進展もあった。

フランスのコニャックメーカーの株価は7日、習氏の「開かれた姿勢」を好感して急上昇した。