黒髪山の自然保護に尽力している井上一幸さん

 黒髪山乳待坊(ちまちぼう)会の会長を務める武雄市山内町の井上一幸さん(83)は、県自然保護監視員として黒髪山の希少植物を守るボランティア活動をしています。

 武雄市と有田町の境にある黒髪山にはカネコシダやクロカミランなど多くの固有種、希少種が自生しています。カネコシダは黒髪山で金子保平氏によって発見され、牧野富太郎博士が命名し国の天然記念物に指定されています。乳待坊会は、黒髪山の希少植物を守るために1999年に設立したボランティアグループで、地道な保護活動を続けています。

 「カネコシダは適度な日当たりのある急斜面に自生しています。繁殖には密集を避け、樹木の間伐が必要です」と井上さん。乳待坊会の長年の活動でカネコシダは繁殖しているそうです。これからの植物の繁茂シーズンに向け、環境維持と保護、監視活動を続けています。

 (地域リポーター・二宮幸枝=江北町)