神功皇后が立ち、魚釣りをしたという垂綸石=唐津市浜玉町の「万葉垂綸石公園」

 唐津市浜玉町南山に、古事記・日本書紀にも記される「垂綸石(すいりんせき)(紫台石)」がある。朝鮮半島出兵の際、神功皇后が勝利を占ったという伝説が残る。

 記紀によると、玉島の里の小川のほとりで皇后が食事をした時、岩の下に魚が群がっていた。針を曲げて釣り針を作り、飯粒を餌に、着物の裾の糸を引き抜いて釣り糸にした。川の中で立ったのが垂綸石。釣りで戦(いくさ)を占い、その魚が「鮎(あゆ)」といわれている。

 垂綸石は以前、玉島神社内にあったが、拡幅工事に伴い整備された「万葉垂綸石公園」に移った。釣り竿(ざお)の竹は挿したら根付き、境内に竹群となり残ったという。

 古代に思いをはせ、いにしえの歌人たちは歌を詠んだ。公園内には歌碑もある。

(地域リポーター・坂田あや子=唐津市)