歌や木版画など、幅広い分野で挑戦を続けてきたことを紹介したジュディ・オングさん=佐賀市文化会館

 佐賀新聞社のメンバーズクラブ「Begin(びぎん)」の本年度第1回講座が26日、佐賀市文化会館で開かれた。歌手・女優・木版画家と多彩な顔を持つジュディ・オングさんが「好奇心を持って一歩踏み出せば可能性が広がる」と話し、新たなチャレンジの大切さを語りかけた。

 ジュディさんは版画展で感銘を受けた25歳から木版を始め、趣のある日本家屋や風景を題材に制作を続けている。スクリーンに作品が映し出されると会場からは拍手が起こり、効果的な色使いや遠近の出し方など新たな表現に取り組んできたことを解説した。

 幅広い分野で挑戦を続けるジュディさんは「私たちは忙しさを理由に、段々と好奇心を削りながら年を重ねていく。でも好奇心が右脳を動かして喜んだり感動したりし、私たちを若くしてくれる」とその理由を説明し、心が動くことに取り組むことが若さにもつながると説いた。

 歌手活動では、万里の長城でのコンサートを振り返った。隣に座った日本と中国の女性が打ち解け、両国で異なる箸の置き方を「それもありね」と認め合ったエピソードを紹介。「人が違うことを考えても『それもありなんだね』と思えると、いろんなものを見る目になり、人生が輝く」と語った。

 最後は純白のドレスに着替えて1979年に日本レコード大賞を受賞した「魅せられて」を熱唱し、来場した約1400人を沸かせた。(円田浩二)