[J1第12節]福岡 1−1 川崎/5月6日/ベスト電器スタジアム

 J1の12節、アウェーで福岡と対戦した川崎は、1−1のスコアで引き分けた。リーグ戦での今季初の連勝をまたも掴めなかったが、ここ4戦は負けなし(1勝3分)ともなっている。

 今オフも例年同様に主力が抜け、新陳代謝を図るも、怪我人が続き、台所事情は難しい。もっとも我慢の時期を過ごすなかで、少しずつだが積み上げている点もある。興味深いのは何度も話し合いを重ね、徐々に失点が減ってきている最終ラインだろう。

 特に新たにCBを組む大南拓磨と佐々木旭のコンビは発展途上で粗さも残すが、楽しみな存在にもなってきた。

「なんでも話を聞いてくれる」(佐々木)という先輩の26歳の大南と、24歳の佐々木は、試合後のロッカールームでは、SBの瀬川祐輔、ファンウェルメスケルケン際、アンカーの橘田健人らを交えて、動画で失点シーンなどの修正点を確認し合うのがルーティーン。隙を作ってしまう場面もあるが、安定感は増してきた印象だ。

 これまでは左SBを主戦場にしていた佐々木が果敢に前へボールを奪いに出て、スピードとフィジカルに長けた大南が後方のエリアを幅広くカバーする。互換性も良いコンビと言えるだろう。

 現にふたりは常にラインを高く保つ意識を共有しており、それは11節の浦和戦(○3−1)で、左CBの位置からオーバーラップした佐々木がハーフウェーライン付近から一気に持ち運んで決めたゴールにもつながった。

 このコンビが今後、どう成長していくのかは見ものである。
【動画】福岡×川崎のハイライト
 ただし、川崎のCBには先日のパリ五輪最終予選を兼ねたU23アジア選手権でチーム最年少の19歳で大活躍した高井幸大が、貴重な経験値を手にして帰還。

 さらに戦列に復帰したばかりで、時間を制限して起用されているジェジエウもベンチに控え、車屋紳太郎も怪我からの復活を目指してトレーニングに励む。

 最終ラインからのパス出しという面では、チームとして改善すべき点を多分に残しており、そこを踏まえてのチョイスにもなりそうだが、今後、誰がCBを担っていくのかは注目である。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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