[ルヴァンカップ1stラウンド3回戦]柏 2−1 福岡/5月22日/三協フロンテア柏スタジアム

 柏はルヴァンカップ1stラウンド3回戦で福岡とホームで対戦。10分にFW鵜木郁哉が先制点を奪取し、同点に追いつかれて迎えたアディショナルタイムにDF野田裕喜が勝ち越し点を決め、2−1で接戦を制し、プレーオフラウンドに駒を進めた。

 この一戦で、均衡を破る先制弾の場面では、スタジアムが湧くビッグプレーが生まれた。

 4−4−2の右サイドで先発したMF島村拓弥が、右サイドに開いてボールを受けたFW山本桜大とのパス交換からペナルティエリア右脇に進入。対応に来た相手を、キックフェイントを織り交ぜた巧みなターンで剥がし、ゴールライン際から敵の股を抜くグラウンダーのパスを送り込み、鵜木のゴールをアシストしたのだ。
【動画】ルヴァン杯福岡戦で島村が超絶アシスト!
 岡山県出身の25歳アタッカーは、京都の下部組織で育ち、2017年にトップ昇格。その後は岐阜、ブラジルのロンドリーナ、C大阪(主にU-23チームでプレー)、今治などを経て、昨季の熊本でブレイク。切れ味鋭いドリブルを武器に右ウイングで定位置を掴み、チーム2位の7アシストを記録した。

 今季に完全移籍した柏では、3月2日の2節・神戸戦で新天地デビューを果たす。4月28日の鳥栖戦で初得点をマークし、5月6日の鹿島戦、同11日のFC東京戦と2戦連続でゴールを記録している。
 
 そんな島村は、福岡戦の鵜木へのアシストを次のように振り返る。

「イメージどおりというか、場面場面で判断した感じです。キックフェイントに引っかからなかったら、たぶん、また違った判断になったと思います。ただ、引っかかったので上手いこと進入できて、そのあと股が空いているのが分かった」

 この日、テレビ中継で解説を務めていた林陵平氏も「上手い」と唸り、マンチェスター・シティのMFベルナルド・シウバを引き合いに出して、非凡なドリブルやテクニックを披露した島村のプレーを絶賛。一方、島村自身は「ドリブルが全てというわけではない」と語る。

「ドリブルだけじゃなくて、自分はパスも武器だと思っています。スペースを見つけてそこに通せる、スペースがあれば、味方に出せるというのも自分の武器」

 続けて、「視野は他の人に比べたらたぶん、広いかなと。そこも自分の特長のひとつ」と付け加えた。

 スペースを見つけ、効果的なパスを出すことで「自分のドリブルの幅も生きると思うので、そういう選択の中でドリブルがある」という。

 好調を維持するアタッカーはさらに輝きを増すか。今季のJ1で注目の選手となりそうだ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】劇的勝利に歓喜した柏レイソルサポーター!
 
【記事】「もし来てくれたらの仮定の話ですけど...」パリ五輪前のアメリカ遠征でOA招集はある? U-23日本代表・大岩剛監督が見解

【記事】「選手はどうサボりながら勝つかを考えちゃう」内田篤人が“夏のJリーグ”について持論「正直、欧州と逆のことをやっている」