ラツィオにイゴール・トゥドール監督が来てから、鎌田大地を取り巻く状況は一変した。

 開幕からの4試合を除き、シーズンの大半を通じて出場機会に恵まれていなかった鎌田だが、トゥドールの就任以降はリーグ戦の全試合でスタメンに名を連ねている。

 ピッチに立つ回数だけではない。チームメイトとのコンビネーションも変わったのは明らかだ。以前はなかなかパスが回ってこず、連係の問題があるのは否めなかった。しかし、現在はタッチ数が激増し、司令官として攻撃を組み立てるようになっている。

「まったく別の選手になった」と評されることも多い鎌田の変貌ぶりへの驚きは大きかった。同時に、なぜこれまで存在感を発揮できなかったのか、不思議に思った人も少なくないだろう。

 チームバランスを理由に日本代表MFをスタメン起用しないことが多かったマウリツィオ・サッリ前監督は、辞任から2か月半が経ち、5月24日の『Sportitalia』のインタビューで、「ミシェル・プラティニはイタリアに来たとき、5か月苦労した」と話している。

「すでに欧州にいたとしても、日本の選手が最初に苦しむのはあり得ることだ。カマダは練習で良いレベルの選手だと見せていた。技術的クオリティが良いレベルなのは疑いなかった。私がいたときの彼は苦労したということなんだ」
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 しかし、クラブを率いるクラウディオ・ロティート会長は、サッリの意見に思うところがあるのかもしれない。『calciomercato.com』によると、「(サッリは)カマダに満足していたが、彼を使わなかった」と話している。

「適応の時間が必要だったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

 サッリは4−3−3のシステムを変えることなく、鎌田を起用する際は主にインサイドハーフとしてプレーさせた。だが、この役割で彼が輝くことはなかった。ロティート会長は、適応期間よりも、指揮官の起用法に原因があると考えているのかもしれない。

 サッリ政権のころから、ロティート会長は鎌田の起用を増やすように望んでいたと言われる。クラブのトップから評価されるのは、追い風と言えるだろう。注目されている契約延長の行方にどう影響するか、進展を待ちたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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