2023−24シーズンのラ・リーガ全日程が終了し、個人賞の各賞受賞者も決定した。


 今シーズンはレアル・マドリードが史上36度目の優勝を果たした他、大躍進を遂げたジローナ、コパ・デル・レイを優勝し、8年ぶりのトップ5フィニッシュとなったアスレティック・ビルバオらがラ・リーガを盛り上げた。対照的に、無冠に終わったバルセロナ、敵地で勝てないアトレティコ・マドリード、混迷を極めたセビージャといった“名門”は苦悩のシーズンに。また、FWアルテム・ドフビク(ジローナ)とFWアレクサンダー・セルロート(ビジャレアル)による『ピチーチ賞(得点王)』争いは、最終盤に両者がハットトリックを達成するというデッドヒートの末に、24得点を記録したウクライナの点取り屋が受賞している。


 さらに、スペイン人得点王の称号『サラ賞』を獲得したのは、15得点をマークしたFWボルハ・マジョラル(ヘタフェ)とFWアルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)で、両者ともに初受賞に。とりわけ、ホセ・ボルダラス監督の下で覚醒したマジョラルは、3月上旬に膝の大ケガによりシーズンアウトを強いられたものの、仮にこの離脱さえなければ『ピチーチ賞』争いにも食い込んでいたに違いない。反対に、最多タイ4度の受賞を誇るFWイアゴ・アスパスが9得点にとどまり、9シーズンぶりに2桁に到達しなかった。


 最後は、1シーズンあたりの平均失点数が最も少ないGKに贈られる『サモラ賞』だ。36試合に出場し33失点・『18』のクリーンシート数で、ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)が初受賞。クラブとしては、ホセ・アンヘル・イリバル氏以来となる54年ぶり史上5人目の受賞者となった。最終節ラージョ・バジェカーノ戦では、2位マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)との出場数の兼ね合いから、無失点に抑える必要があった中、同賞が定める“60分間以上のプレーで1試合出場とカウントする”という規定に沿って、前半キックオフから60分までプレー。この間にゴールを割らすことなく、60分にピッチを退いた瞬間にサモラ賞が確定していた。


 試合後にチームメイトからが胴上げされた他、交代する際には敵地『バジェカス』からスタンディングオベーションを受けるなど、敵味方問わずに受賞を祝福されたウナイ・シモン。スペイン紙『マルカ』にて、「この賞は、すべてのチームメイトと、レサマ(練習場)で働く人々の日々の仕事のおかげなんだ。サモラ賞の顔は僕だけど、受賞の背景には、この賞のために懸命にハードワークしてきた大きなグループがある」と自身を支えてくれた人々に対する感謝を述べている。


■サラ賞

1位:15ゴール アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)

1位:15ゴール ボルハ・マジョラル(ヘタフェ)

3位:14ゴール ゴルカ・グルセタ(アスレティック・ビルバオ)

4位:13ゴール ウーゴ・ドゥロ(バレンシア)

5位:10ゴール ホセル(レアル・マドリード)

5位:10ゴール ジェラール・モレノ(ビジャレアル)


■サモラ賞

1位:0.92失点 ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)

2位:0.96失点 マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)

3位:1.00失点 アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)

4位:1.12失点 アントニオ・シベラ(アラベス)

5位:1.13失点 ヤン・オブラク(アトレティコ・マドリード)