モンテレイ(メキシコ1部)は、契約満了に伴いセビージャを退団したMFオリベル・トーレスと3年契約を締結したことを発表した。


 スペインの“大空翼”は、メキシコで次なる冒険を始める。1994年11月10日生まれの現在29歳は、日本の大人気漫画・アニメの『キャプテン翼』の主人公である大空翼のスペイン名オリベル・アトムが名前の由来となった。アトレティコ・マドリードのカンテラーノで、世代別のスペイン代表として国際大会優勝に大きく貢献したこともあり、“シャビを超える天才”とまで称された同選手は、2012年8月に17歳でトップチームデビュー。しかしながら出場機会に恵まれない日々が続くと、ビジャレアルとポルトへのレンタル移籍を経験し、後者ではリーグ年間最優秀若手選手賞を受賞するほどの活躍を見せたものの、最後までアトレティコ・マドリードでは定位置を掴めずにクラブを去ることになった。


 それでも2019年夏から5年間在籍したセビージャでは、パスセンスやテクニック、ビジョンの豊かさを随所に発揮する天才肌のプレースタイルで違いを生み出した。クラブ公式戦通算201試合出場・11得点21アシストを記録するとともに、2度のヨーロッパリーグ優勝を成し遂げた後、「ありがとうセビージャ。別れを言うのは決して簡単ではない」と綴り、アンダルシアでの物語に幕を下ろしていた。


 その中で、オリベル・トーレスの新天地がリーガMXに所属するモンテレイに決定した。契約期間は2027年夏までの3年間。セビージャでともにプレーしたMFテカティート(ヘスス・マヌエル・コロナ)や、元ベティスのMFセルヒオ・カナレスとチームメイトに。またスペイン紙『マルカ』は、モンテレイは昨夏にも獲得を目指したものの、選手本人がクラブとの契約を全うすることを希望したため、実現には至らなかったことを併せて伝えている。


 自身初の新大陸挑戦を決断したオリベル・トーレスは、メキシコの地でどのようなプレーを見せてくれるのだろうか。



【動画】スペインの“大空翼”のプレー集