パドレスの「勝利の方程式」

サンディエゴ・パドレスは現地時間27日(日本時間28日)、本拠地でのマイアミ・マーリンズ戦に2−1で勝利。2連勝で今季の成績は29勝28敗、貯金1とした。

この試合では、2−1と1点リードの8回から松井裕樹が登板。一死からジャズ・チザムに二塁打を浴びてピンチを招いたが、2つの三振を奪うなど無失点で切り抜け、勝利に貢献した。

これで松井は6試合連続の無失点投球。4試合ぶりのホールドも記録し、今季の成績は25試合の登板で2勝0敗6ホールド、防御率3.00。貴重なリリーフ左腕として、ルーキーイヤーからチームに欠かせない存在感を放っている。

その松井からバトンを受け取り、試合を締めくくったのが守護神のロベルト・スアレス。かつてソフトバンクや阪神でプレーした33歳右腕は、この日も1点リードの9回を危なげなく3人斬り。3試合連続セーブを挙げ、今季の成績は23試合で2勝0敗16セーブ、1ホールド。防御率は0.73という圧巻のパフォーマンスを見せている。


“元NPBセーブ王”という共通点

この2人の共通点と言えば、NPBで最多セーブのタイトルを獲得した経歴の持ち主であるということ。

スアレスは阪神時代の2020年に25セーブ、2021年には42セーブを記録して2年連続でセーブ王の座に君臨。松井は2019年に38セーブで初めてタイトルを掴むと、2022年に32セーブ、2023年に39セーブで2年連続セーブ王に。所属チームのリーグが分かれていたため同時受賞も可能だったのだが、奇しくもそれを避けるような格好で日本プロ野球史にその名を刻んでいる。

そんな2人が海を渡り、同僚として共闘しているというのは日本の野球ファンにとっては喜ばしいこと。今季2人が同日に登板した試合はここまで12試合あり、戦績は「12勝0敗」。まさに勝利の方程式として定着しつつある。

さらにチームにはダルビッシュ有もおり、現地4月30日のレッズ戦ではダルビッシュが先発して7回途中から松井がリリーフ、9回はスアレスが締めて「勝利投手:ダルビッシュ」「ホールド:松井」「セーブ:スアレス」と3人の名前が並ぶ日もあった。

同地区にはロサンゼルス・ドジャースという強大なライバルがいるものの、相手の5連敗もあって現在は5ゲーム差。必死に食らいつく姿勢を見せており、まだまだ気は早いがナ・リーグのワイルドカード争いを見ても3位と圏内につけている。

球団初のワールドシリーズ制覇に向けて、“NPBセーブ王コンビ”が牽引する強力ブルペン陣が原動力となるか。今後のさらなる躍動に期待したい。

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