話題の新曲を最速で知れる、Spotifyの人気プレイリスト『New Music Wednesday』を、ナビゲーターの竹内琢也が深掘りするポッドキャスト『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』。このSPICEでは同番組で紹介されている、プレイリストだけでは知ることのできないエピソードやSpotifyのエディター(プレイリストを構成している人たち)のこだわりをピックアップして掲載。
今週は……ツアー真っ最中のWurtSがカバーに登場! グローバルチャートを騒がすビリー・アイリッシュのアルバムや、宇多田ヒカルの再録、Mrs. GREEN APPLEの映画主題歌、スチャダラパー&STUTSのコラボ曲、ストリーミング解禁されたKing & Princeの新曲など新作11曲を紹介! また紹介アーティストのライブやフェス情報も掲載しているので要チェック。番組への感想やリクエストは「#NMWミュージックアンドトーク」をつけてツイートを!

WurtS「遊星X」

WurtSのニューEP「エヴォリューション」がリリースになりました。(WurtSはSpotifyが2022年に躍進を期待するネクストブレイクアーティスト10組『RADAR:Early Noise 2022』に選出。私もその年に「選ばれましたね」とインタビューをしたことが懐かしいくらいもう大人気です。現在春フェスでも大活躍ですが、SpotifyのデータでもEPへの期待値が窺えます。4月と比べても、もっというと先週と比べてもリスナー数が増えている……。EPを楽しみに聴き込んでらっしゃるのでしょう。Spotifyでは幅広い世代に聴かれているものの、22歳以下の若い層からの支持が一番厚いです。)EPには2023年にリリースされた「メルト」、Chilli Beans.のMotoを客演に迎えた「タイムラグ!」、漫画『SAKAMOTO DAYS』とのコラボから生まれた「BORDER」、今年になってリリースされた「SF東京」「エヴォリューション」など全6曲が収録されています。『New Music Wednesday』には今回公開された「遊星X」がリストインしています。(『遊星からの物体X』というSF映画がありますが、そこからとられてるんですかね。WurtSさんは映像も非常に詳しいのでその可能性は高いかなと。)現在、数々の春フェスに出演中のWurtSですが、リリース前日の5月21日(火)からは全国16か所19公演に及ぶ『WurtS LIVEHOUSE TOUR III』、10月31日(木)には初の単独日本武道館公演も決まっています。

ビリー・アイリッシュ「LUNCH」

ビリー・アイリッシュのニューアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』が5月17日(金)にリリース、『New Music Friday Japan』を含む世界各国の『New Music Friday』でカバーを飾りました。2022年の8月に「BITTERSUITE」のサビと歌詞を書いたのがアルバムの一番最初の作業で、アルバム制作のほとんどは2023年の5月から2024年の頭までに行われた事を明かしています。今までの作品と同じく、アルバムの楽曲は全て兄のフィニアス・オコネルと共に作られており、リリース後Spotifyのグローバルチャートで2位にランクインした「LUNCH」が今週の『New Music Wednesday』にリストインしています。他にも「CHIHIRO」「BIRDS OF A FEATHER」などが上位に。全10曲全てがグローバルチャートにランクイン。

(アルバムは2021年リリースの『Happier Than Ever』以来。ビリー・アイリッシュといえば2019年の『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』で鮮烈なデビューを果たし、『Happier Than Ever』で全く違うサウンドを示しました。それぞれの代表曲が1stは低音のビートの「bad guy」で、2ndはジャズの要素も入ったバラードの「Happier than Ever」であることを考えると、やはり大きく違います。今作はまたそのどちらとも違うサウンドですね。同作は『コーチェラ・フェスティバル』にてDJセットでプレイしてたりはしてたんですが、先行シングルが全く出ていない段階でアルバムリリースでインパクトも大きい。まず、私が印象的だったのはジャケットの青。1作目のダークな世界観のジャケットビジュアル。髪がブロンドになり、トレードマークのオーバーサイズのスタイルをやめ、またガラリと変わった2作目のアートワーク。そして今回の水の中に沈む青。ビリーに青の印象があんまりなかったので、新鮮。そして「LUNCH」。今までのリリース曲の中でも非常にポップな、でもビリー・アイリッシュらしい楽曲。そして続く「CHIHIRO」はジブリ映画『千と千尋の神隠し』から影響を受けたことを明かしています。ちょっと不思議なレトロなイメージも持つサウンドの「THE DINER」。曲中で展開が凄くかわる「BITTERSUITE」。そして最後の「BLUE」は今回のイメージカラーでアルバムにとっても重要な曲。アルバムとして最初から最後まで私は興奮して聞きました。アルバム作品としてストーリーを感じます。今年を代表する名盤だと思います。)

ビリー・アイリッシュが小さい頃から大好きだったという90年代のヒップホップビデオへのオマージュを込めた「LUNCH」のMVも公開されています。(日スタジオで固定カメラで、ちょっと広角気味のカメラで、、アーティストがパフォーマンスをする感じは、本だとPUFFYがこういうMVを撮ってたイメージもあります。曲タイトルも相まってMVでは色んなものを食べてますが、結構この撮影は過酷だったみたいで……。サンドウィッチ、ピーナッツバターとジャムのサンドウィッチを三つ、クッキー、さくらんぼ、オレンジ、またクッキー、イチゴ、リンゴ、オレンジジュース、りんごジュース、チョコレートミルク……と欲しいショットが撮影できるまで続けないといけなく、そのせいで一日中食べ続けたそう。)

宇多田ヒカル「Simple And Clean (Re-RecordingI)」

宇多田ヒカルの「Simple And Clean (Re-Recording)」がリリースになりました。宇多田ヒカルが2002年にリリースし、『キングダム ハーツ』のテーマソングとしても人気の「光」。4月にリリースされたベストアルバム『SCIENCE FICTION』にRe-Recordingバージョンが収録されていましたが、今回は英語版である「Simple And Clean」の再録バージョンがリリースになりました。Steamにて6月に発売となる『キングダム ハーツ』シリーズ10作品を一挙に楽しめる3タイトルの発表タイミングに合わせてのリリースとなりました。「光 - Re-Recording」と同じくA.G.クックが参加しています。(最近は本当に一緒に作業することが多い……)宇多田ヒカルは「長年支持されてきた曲の再録という大きなチャレンジに、友人でコラボレーターであるA. G. Cookの力を貸してもらいました。「光」/「Simple and Clean」の新しいバージョンは、私が22年前に書いた曲ではあるけど、違う場所、違う視点から発せられています」とコメントしています。

XG「WOKE UP」

XGの新曲「WOKE UP」がリリースになりました。2022年3月に「Tippy Toes」をリリースし、今年でデビュー2周年を迎えたXG。(Spotifyではリリースの度に日本だけでなく海外のプレイリストにもリストインしていることをお伝えしていますが、すっかり海外のムードプレイリストやポップス系プレイリストの常連アーティストになりました。リスナーの男女比を見ると女性が多めの印象。現在リスナー数で見ると日本がトップではあるんですが海外はもちろん多いです。アジアだけじゃなくUSやフィリピン、インドネシア、ブラジル、メキシコ色んな国で聴かれています。)先週の大阪城ホールでの公演を皮切りに現在ワールドツアー中で、クアラルンプール、シンガポール、ソウル、台北、バンコク、マニラ、他アジアの国と地域(追加予定あり)でこれからライブを行い、10月には北米、11月にはヨーロッパとその他の地域での開催も予定されています。(この週末は大阪でライブでした。私は『OUTDOOR PARK 2024』というイベントでMCをやっていたので行けませんでしたが、私の友人も行ってまして、興奮した様子をSNSにアップしてました。その友人は特にヒップホップ面でのXGに強い印象を受けたと話してましたが、今作はまさしくXGにとって初となるオールラップソング。)「WOKE UP」はXG初のオールラップソングで、メンバー全員がラップを披露しています。(XGはまだグループの全容が明らかになっていません。デビュー前から、メンバーがHIPHOP/RAPのパフォーマンスを披露する「XG TAPE」シリーズをYouTubeで公開していたり、ロザリアの「SAOKO」のビートにのってラップしてたりと、ラップスキルには元々定評があります。欧米圏のリスナーからは、アメリカのヒップホップカルチャーを熟知したネタが多数散りばめられていて、リファレンス元やビートのネタ元への理解と活用の仕方が的確みたいなリリックの良さも指摘されていたり。結構話題にはなっていましたが、初のオールラップソング。やっぱオールラップというのはチャレンジングな面もあるし、なかなかできるグループは言っても多くありません。トラックも印象的ですね。アジアっぽいサウンドを盛り込んだヒップホップトラックになっています。)

スチャダラパー&STUTS「Pointless 5 (feat. PUNPEE)」

スチャダラパー、STUTS、PUNPEEによるコラボ曲「Pointless 5」がリリースになりました。(先週リリースでナイス楽曲でEditorialチーム内でも好評、リストインしていた『New Music Friday Japan』内でも好調でした! STUTSとPUNPEEは「夜を使いはたして」でコラボありますが、スチャダラパーとのコラボするのはそれぞれ初。スチャダラパーは小沢健二さんとの「今夜はブギー・バック」から30年を迎えたのを記念して再びタッグを組み、4月に「ぶぎ・ばく・べいびー」をリリースしていました。STUTSは大活躍で、最近で言うとLEX&LANAのコラボ「明るい部屋」にもプロデューサーとして参加。)スチャダラパーとSTUTSは昨年7月の大阪城野音でのツーマンライブからお互いの親交がより深まり、12月にはスチャダラパー&STUTSとしてのワンマンライブ『That’s the Joint』も行っていました。(昨年はスチャダラパーのBose、STUTS、PUNPEEで、フジテレビ系『ボクらの時代』での対談もあり。その時は関係なかったと思いますが今となれば伏線になった感じもします。)

JUBEE「Vision feat. JESSE」

JUBEEの新曲「Vision feat. JESSE」がリリースになりました。CreativeDrugStoreのメンバーでありAge Factoryとのオルタナティブユニット・AFJBでも活動するラッパーでビートメイカーのJUBEEと、RIZEとThe BONEZのフロントマンJESSEという豪華なコラボレーションとなりました。5月2日(木)にはJUBEEがオーガナイズしたスリーマンイベント『CROSSOVER』が東京・恵比寿LIQUIDROOMにて開催されAge Factory、The BONEZが出演。新曲がいち早く披露されていました。(ラッパーでありながらAFJBやロックなバンド、アーティストとの活動も印象的なJUBEE。JUBEEだからこそ実現したコラボという感じがします。ふたりは過去に行われた、Age FactoryとThe BonezのツーマンにゲストでJUBEEが登場したところで出会ったそう。地元が超近いみたいです。仲良くなるのにはsic boyも関わってくるみたいで、この3人はロックなアプローチをするラッパーですよね。YouTubeに対談動画が載っているので、より深く知りたい方はぜひ見てみてください。)

ゲスの極み乙女「ハードモード」

ゲスの極み乙女のニューアルバム『ディスコの卵』がリリースになりました。2020年にリリースされた前作『ストリーミング、CD、レコード』から約4年振りとなるニューアルバムです。(あと細かい話ですが、2022年にゲスの極み乙女。からゲスの極み乙女に名前を変更し、以降初のアルバムでもあります。)5月8日(水)にはアルバムから先行で「シアラ」がリリースされ『New Music Wednesday』のカバーを飾っていました。(さらに先週、ツインボー カルが軽快なポップソング「Funky Night」がリリースされるなど、アルバム先行配信からリスナー数はグッと右肩上がり中。あと注目すべきはSpotifyでは実は他のJ-Rock勢と比較してUSで結構聴かれています。アニメの曲は海外からの比率が大きくなる事はありますが、直近の大きなアニメタイアップ等が無いにも関わらず、比率が大きくなっています。ちなみにIndigo la Endも同じ傾向です!)アルバムにはほかに、徳澤⻘弦ストリングスとの調和が美しい「ゴーストディスコ」など全14曲が収録されています。(2020年にリリースされた楽曲も入るなど、この4年間の楽曲が詰め込まれています。私は楽器に詳しくないんですけど、「シアラ」の鍵盤の音が好きすぎて、詳しい友達に「あれはどういう鍵盤なんだ」と聞いたところ、「あれはおそらくローズピアノ系の音だと思う」と。Spotifyで個人で作られたローズピアノ系の音をまとめたプレイリストがあって、楽しんだりしてました。また新たな音楽の扉を開いてくれてありがとう。「Funky Night」もそんな感じの音でしたね。)『New Music Wednesday』には「ハードモード」がリストインしています。7月からは全国ワンマンツアー『ナイトクラビング』を開催する事も決定しています。Spotifyでは日本のロックシーンの話題曲を集めたプレイリスト『J-Rock On!!』のカバーを飾っています。

Bye-Bye-Handの方程式「swamp(沼)」

Bye-Bye-Handの方程式のアルバム『ソフビ』がリリースになりました。Bye-Bye-Handの方程式は地元・大阪の中学の同級生で結成され、活動中の4人組バンド。『New Music Wednesday M+T Edition』では先行で配信されていた「春のチャンス」や「閃光配信」を以前にもピックアップしていました。(番組ではアルバムに向けて盛り上げてました。Spotifyではプレイリスト『青春と一瞬』がシングルリリースのタイミングでバイハンスペシャルになったりと結構プッシュしていて、ついにアルバムリリース!! 年末のフェス『Radio Crazy』なども主催していて、関西ロックシーンには非常に影響力のある大阪のラジオ局 FM802のヘビーローテーションに決定するなど、どんどん盛り上がりを見せています。SpotifyでもJ-Rock系プレイリストで好調でよく聴かれています。)『New Music Wednesday』には「swamp(沼)」がリストインしました。Spotifyではプレイリスト『RADAR: Early Noise』のカバーも初めて飾っています。

Mrs. GREEN APPLE「Dear」

Mrs. GREEN APPLEの新曲「Dear」がリリースになりました。今作は6月14日(金)に公開される映画『ディア・ファミリー』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。「娘を救いたい」という一心で医療器具の開発に挑み、後に医療界を揺るがす大きな奇跡を生み出した町工場経営者の実話を映画化した作品。楽曲について大森元貴(Vo.Gt)は「本作は全て実話ということで、すべての出来事の先にバルーンカテーテルが⽣まれたと考えるととても感慨深いです。目の前にある現実の⼤きさは計り知れないものですが、家族の皆さんの絆の強さを感じて胸がキュッとなりました。事前に資料をいただき、拝⾒してから楽曲を制作したのですが、凄く泣けました。主題歌の「Dear」は壮⼤でさわやかな印象ですが、地に⾜がついて芯が⼀つ通っているような楽曲です」とコメントしています。(映画で映えるような壮大なストリングスアレンジ。<左胸の鼓動が止まるまでちゃんとこの世界を愛したい>など、映画とリンクするワードも多数歌詞に散りばめられています。)なおMrs. GREEN APPLEはアーティストが18歳世代の様々な想いを聞いて新曲を制作し、その曲を1,000人の18歳世代と一緒に、1回限りのパフォーマンスで共演する『18祭』の2024年アーティストに決定しました。(RADWIMPS、ONE OK ROCKなど過去に名曲、名シーンが多数生まれているこの企画、今年はミセス!)

冨岡 愛「アイワナ」

冨岡 愛の新曲「アイワナ」がリリースになりました。冨岡 愛は現役大学生のシンガーソングライター。思春期をオーストラリアで過ごし、2021年より音楽活動を開始し、TikTokやSNSでの歌唱動画投稿で注目を集め、昨年9月にリリースされた「グッバイバイ」はSpotifyで800万を超える再生数を記録しています。昨年11月にはSpotifyとTikTokが共同でアーティストを応援するプログラム『Buzz Tracker』にも選出されています。Spotifyでは日本のティーンエイジャーに聴かれている話題曲を集めたプレイリスト『Teen Culture』のカバーを飾っています。

King & Prince「moooove!!」

King & Princeの新曲「moooove!!」がリリースになりました。(キンプリの楽曲がストリーミング解禁となりました! それと同時に公開された『King & Prince is here』というプレイリストがあります。情報公開時は『King & Prince is coming』として発表されていました。ストリーミング解禁の情報解禁時にプレイリストができたので、楽曲がまだ到着していない段階でのコメントが入ったプレイリストだったんですけど、その時点でアクセス多数で熱気を感じました。本人コメント動画+ボイスが楽しめる『King&Prince is here』もお楽しみください。)新曲「moooove!!」は、メンバーの髙橋海人が主演を務めるテレビ東京開局60周年連続ドラマ ドラマプレミア23『95』の主題歌です。楽曲は今年リリースした「Obsessed」がTikTokでバズを起こし、Spotifyでも1,000万回再生を超えているAyumu Imazuが書き下ろしています。(SEVENTEEN、ENHYPENが振り付け動画を踊り、アメリカのアーティスト・マックスを迎えてのverも出るなど、大きな話題に。SpotifyとSpotifyとTikTokが共同でアーティストを応援するプログラム『Buzz Tracker』にも選出。)King & Princeはまずはリリースとなったシングル「halfmoon / moooove!!」がストリーミング解禁され、昨年発売されたベストアルバム『Mr.5』全収録楽曲(57曲)も5月23日からストリーミング解禁される予定。プレイリスト『Dance Pop:Japan』のカバーも飾っています。

文=竹内琢也、Y.SHOGO

『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』とは……

毎週水曜日に、その週リリースされた注目の新曲を中心に更新される、Spotifyのプレイリスト『New Music Wednesday』をさらに深掘りするSpotify公式ポッドキャスト。この番組をチェックすると話題の新曲をいち早く、そして詳しく知ることができて、今の音楽シーンがまるわかりに。あなたの通勤、通学、スキマ時間に無料で聴くことができるので是非チェックを。また番組では、Spotifyアプリの「Q&A」からメッセージやリクエストも募集中。あなたのオススメ曲や思い出ソングが紹介されるかも!? 番組への感想やリクエストは「#NMWミュージックアンドトーク」をつけてツイートを!

SNSでのメッセージテーマは「#好きなボーイズグループ/ガールズグループ」