「第70回三惑対抗ラグビーフットボール大阪大会」が4月6日、7日と東大阪市の花園ラグビー場で開催された。

 通称「三惑大会」は1948年創部の関東協会所属の「不惑倶楽部」、関西協会所属の「惑惑ラグビークラブ」、49年創部の九州協会所属「迷惑倶楽部」による対抗戦が行われる。

 52年に日本ラグビー協会が主催した三地域対抗戦の前座として開催されたのが始まりで、61年に花園ラグビー場に「三惑」が集まって大会を開催して以降、会場は東京、大阪、福岡を持ち回りとして毎年開催し、今年が70回の記念大会となった。

 試合は40代(白パンツ)、50代(紺パンツ)、60代(赤パンツ)、70代(黄パンツ)による各年代別の三つどもえ戦が行われ、全12試合に397選手が出場し、熱い戦いを繰り広げた。

 チームを代表する白パンツ(40代)の対抗戦は、ホームチームの惑惑ラグビークラブが不惑倶楽部、迷惑倶楽部に勝ち、勝者が手にできる「永井杯」を奪還した。

 勝ち点を争う総合優勝も惑惑ラグビークラブが手にした。

 惑惑の白パンツ、金孟権(キム・メンゴン)主将(46)は「一昨年、迷惑に敗れ、昨年は不惑に敗れて、二つの永井杯を手放していた。今年は地元開催で、第70回記念大会ということもあり、プレッシャーはあったが、メンバー全員が必ず永井杯を取り戻すという強い覚悟と信念のもと、ラストワンプレーまでプライドを持って戦ってくれた」とチームメート、さらに40歳を過ぎて真剣勝負ができる三惑大会の歴史と対戦相手の不惑、迷惑倶楽部に感謝した。

 初めて三惑大会に参加した白パンツのある選手は「高校生の頃からラグビーを続けているが、今までは勝つことを目的としたラグビーだった。この三惑大会で新たなラグビー文化に触れることができた。紺パンツや年配のメンバーがグラウンドに送り出してくれ、参加した全選手が試合に出場し、クラブ全体で戦い、試合後は相手チームも含め全員がノーサイドとなり、友好・親睦を深める。こんな経験は今までになかった」と最高の笑顔で振り返った。

 今回の勝因は何だったのか? その問いに惑惑ラグビークラブのほぼ全員が「前日に酒を飲まなかったこと」と語っていたことに この大会に懸けるシニアラガーマンの本気度が感じられた。

 

 だからこそ奪還した永井杯で飲み交わした美酒は格別だった。